表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
カフェ・ルミエール  作者: 舞夢
63/760

マカロン(4)

洋子のマカロン講義は、そこまでだった。

カトリーヌ・ドゥ・メディシスの生涯そのものが、波乱に満ちあふれすぎていることもあり、華やかなマカロン・パーティーには似つかわしくないと思ったのである。


「まあ、単にお菓子一つと言ってもね、様々な歴史を秘めていることがあるの」

「でもね、それを考えすぎてはいけない」

「まずは、お菓子そのものを楽しまないとね」

やっと、洋子は少し笑った。

それで、翔、香奈、奈津美の顔もホッとした。


「もう一度、中世史の本を読むかな」翔

「私の家にたくさんあるよ」香奈

「あら、それはそれは・・・」

和菓子職人でもある奈津美も興味があるようだ。

そして、何かを思いついたのか、洋子の顔を見た。


「ねえ、洋子さん、こういう話をね」

奈津美が声をかけると


洋子も気づいたらしい。

「ああ、広報誌とかホームページに?」


「うん、そうするとね・・・史君がね」

奈津美は、含み笑いをしている。


「え?そうかあ・・・それは名案だ!」

洋子は、ニンマリ、その上、顔が赤くなった。


ただ、翔と香奈には、その変化の意味がわからない。

「え?何ですか?広報誌とかホームページって?」翔

「まさか、このカフェ・ルミエールで?」香奈


奈津美が応えた。

「超名文家にして、超美少年記者がいるの」

「みんな、トロンとするくらい」

「その子がつくるんだけど」


洋子は、ますますニンマリ。

「そうか、史君の世界史の勉強にもなるなあ」

「これは、一挙両得だ、シメシメだ」

「瓢箪から駒だ」



翔と香奈は、あっけに取られて、店を後にした。


「このカフェ・ルミエールって、底が知れない」翔

「私も、その史君を見てみたいなあ」香奈

「おいおい・・・」翔

「嫉妬は無用、もう史君って子はね、彼女がいるんだって、奈津美ちゃんがこっそり教えてくれた」香奈

「でも、興味はあるな、一度見てみたい」翔

「そうだね、面白いかも」香奈


・・・まさか、翔と香奈が、史に取り込まれることはないだろうけれど・・・

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ