表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
カフェ・ルミエール  作者: 舞夢
611/760

由紀と史のデート?(3)

由紀と史は、予約した時間通りに、京都に本店を持つ銀座の懐石料理店のあるビルに到着した。

エレベーターで、その店のある階にまで移動、由紀が印刷した予約確認の紙を持ち、店内に入ると、さっそく仲居さんだろうか、

「いらっしゃいませ、本日のご予約はございますか」

と、声をかけてきた。


由紀は、予定通り

「はい、ここに」

と、その予約確認の紙を渡す。

そして、普通であるならば、店名も全て間違いがないので、スンナリと予約席に案内されるはず。


しかし、その間違いがない予約確認の紙を受け取った仲居は、少し難しい顔。

「えーーー・・・はい・・・確かに予約は、これで成立となっているのですが・・・」

と、由紀の顔を見たり、史の顔を見たり、悩んでいる様子。


由紀は、ムッとしてきた。

「何か手違いでも?」

少々、言葉も強い。

確かに「予約成立」になっているのに、何故、そんな態度を取られるのか、理解ができない。


仲居は、それでも、由紀と史を座席に案内しようとはしない。

「少々お待ちください、支配人をすぐ呼んでまいります」

と、頭も下げずに、奥に引っ込んでしまった。


史は、由紀の顔を見た。

「こうなると食べる以前の問題では?」

「人を見ている感じ、子供だから馬鹿にしているような雰囲気を感じた」

「それと、仲居さんの、香水がキツ過ぎ、それが料理につけば、食べる価値なし」


由紀も、珍しく史の意見がマトモだと思ったようだ。

「その通り、全く気に入らない」

怒り顔になりつつある。


さて、史と由紀がそんな話をしていると、その仲居が支配人らしき人を連れてきた。


その支配人らしき人は、三十代半ばだろうか、髪の毛をキッチリ香料が強い整髪剤で固め、身体つきも顔も精悍、上質なスーツを着こなした、いかにも「やり手」の実業家風。

そして、頭も下げずに、いきなり声をかけてきた。


「あなた方、確かに当店で予約が成立はしていますよ」

「ただね、こっちだって、お客を選ぶ権利があるんですよ」

「見たところ、かなり若くて、子供じゃないですか」

「それも関東育ちでしょ?言葉がそうですから」

「無理です、関東育ちの若い子供に、京都の微妙な味は」

「ネットで予約できるといってもね、何でもいいってわけではないんです」

その実業家風、支配人はポンポンとたたみかけてくる。

そして、

「さあ、さっさと帰れ、わかるだろう?これだけハッキリ言われれば」

と言い切ってしまった。



この時点で、由紀の顔は怒りで真っ赤。

史は、スマホで、全てを録音している。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ