表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
カフェ・ルミエール  作者: 舞夢
599/760

文化講座開講記念パーティー(2)

大旦那は柔らかな表情で挨拶をはじめた。

「ご来場の皆さま、本日は記念式典、記念講座、記念コンサートと、長時間に渡り、本当にお疲れ様でした」

「ここで、ささやかながら、開講記念パーティーということで、当講座の感謝の意を示したいと存じます」

「なお、本日の料理に関しましては、当カフェ・ルミエールのマスター及び、京都より呼び寄せた日本料理人の清、そしてデザートには洋子さんが、担当しましたので、是非、ご賞味をお願いいたします」

大旦那はそこまで、挨拶をして、深くお辞儀。

記念式典での、少々長い挨拶とは異なり、全くシンプルなもの。

それでも、パーティー客たちは、料理とデザートへの期待が高いのか、全員の顔が輝いている。


その大旦那が大きな拍手を浴びて、自らの席に戻ると、華蓮は司会を続ける。

「それでは、ここで乾杯をいたしたいと思いますので、皆様、グラスをお持ちになり、ご起立をお願いいたします」

「尚、乾杯の音頭は、当講座の講師を代表して、近衛晃がつとめさせていただきます」


華蓮のアナウンスにより、パーティー客全員がグラスを持ち、起立。

晃がステージ中央に立った。


晃は、にこやかな顔。

「それでは、大旦那の挨拶も、珍しくシンプルなものでした」

「彼も食いしん坊で飲み助なので、我慢が出来なかったことでしょう」

その晃の言葉に、客席からクスクス笑いが起きるし、当の大旦那も笑っている。

晃は言葉を続けた。

「とにかく、今はこのシャンパンを飲み干しましょう」

「そして、これからの地の世界へと旅立つ力を、このシャンパンから!」


晃は大きく息を吸い込んだ。

そして大きく、うららかな声が会場に響き渡る。


「乾杯!」


晃の言葉通りに、全員がシャンパンを飲み干した。

そして、また大きな拍手が会場全体に響き渡った。


華蓮

「それでは御着席願います」

「ただいまより、料理をお運びいたします」

華蓮のアナウンスで、全員が着席となった。



さて、史はニコニコしている。

「すっごいシャンパンを使ったなあ」

里奈は、顔が少し赤い。

「飲んじゃった」

「飲み干すには惜しいシャンパン」

里奈

「え?どういうこと?」

「おそらく、シャンパンの最高峰、クリュグを使った」

里奈

「すごく高いの?」

「うん、かなりね」

里奈

「震えてきた、すごいパーティーになりそう」

「まあ、お楽しみ、何が出て来るのやら」


史と里奈だけではない、出席者全員が期待を込めて、最初の一皿を待っている。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ