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カフェ・ルミエール  作者: 舞夢
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カフェ・ルミエール文化講座開講記念コンサート(1)

晃の記念講座が、大好評のうちに終了し、次第により、開講記念コンサートになった。

しばらくの準備時間のあと、再びステージの幕があがると、カフェ・ルミエールの楽団と、ピアノが運び込まれている。


ここでも、司会は京極華蓮。

「それでは、開講記念コンサートをはじめたいと思います」

「まずは第一曲目はモーツァルトのピアノ協奏曲第21番」

「指揮は、当楽団の指揮者にして、当講座の講師でもあります榊原先生」

「そしてピアニストは、皆様ご存知の史君です」


聴講生全員からの万雷の拍手を受けて、指揮者の榊原と史が登場。

榊原と史が、客席に深くお辞儀をすると、また万雷の拍手が湧き上がる。



いつの間にか、ステージ袖口には、由紀と里奈も姿を見せている。

由紀

「アホの史が粗相をするかもしれないから心配なの」

華蓮

「そう?史君、落ちついているよ」

道彦

「スーツ姿も可愛いなあ、お人形さんみたいだ」

里奈は、胸が苦しいらしい。

手で押さえて全く声がでない。


ステージ袖口のそんな様子はともかく、モーツァルトのピアノ協奏曲の演奏がはじまった。


由紀

「・・・ったくピアノだけは上手、性格は意地悪で極悪」

華蓮

「それは言い過ぎ、演奏中にうるさい」

道彦

「なんともひきつけられるなあ・・・プロ以上って、別次元のモーツァルトだ」

里奈は、ハンカチを握りしめ、ただ立っているだけの状態。

ドキドキして仕方がないようだ。


ピアノ協奏曲の第二楽章まで進むと、ステージ袖口の面々は、言葉がない。

それでも、心で思うことはある。

由紀

「ピアノ弾いている顔は可愛いなあ、口を開くと憎らしいけれど」

華蓮

「これこそ、極上のモーツァルト、天使の音楽」

道彦

「このモーツァルトを聞くと、他の演奏家のは聴けないなあ」

「CDとかDVD、ネット配信すれば売れるかも」

里奈

「またこれで史君が人気出ちゃったらどうしよう、もっときれいな女性が史君に近づいたら不安」


第二楽章は聴講生全員を陶然とさせ、第三楽章は飛び跳ねるような明るい雰囲気。

史のピアノは、リズムのキレ、音の明るさ、全てが聴講生を魅了する。

また、指揮者の榊原も楽団も史の意図を察したのか、とにかく生き生きとリズム感を明確にして、モーツァルトの華やかさを際立たせる。



道彦が一言

「すっごいなあ・・・」

と漏らしただけ、圧倒的な史のピアノが輝いている。

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