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カフェ・ルミエール  作者: 舞夢
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里奈の幸せ(2)

華蓮は、里奈に感心した。

「すごいねえ、あの大学の文学部ねえ・・・なかなか入れない」

里奈は、恥ずかしそうな顔。

「いえ、たまたまです、でも、ホッとしました」

亜美はうれしそうな顔。

「へえ・・・そうなると、私と同じ大学ですね」

里奈は、姿勢を正した。

「あ・・・先輩になるのですね、ご指導お願いします!」

しっかりと頭を下げる。

道彦は、それを見て

「すごく礼儀正しい子だなあ」

と感心している。


史は、里奈の顔を見て

「あの大学には、父さんの知りあいで、有名な源氏学者がいるよ」

里奈も、頷いて

「そうなの、あの先生の講義が聞きたくて、勉強も大変だったけれど頑張ったの」

洋子も、里奈の前に座った。

「里奈ちゃん、柔道でも有名な大学だけど、続けるの?」

里奈は、少し笑って首を振る。

「いや・・・もう、あそこの大学の柔道部は高校の全国大会でもトップクラスの人ばかり、とてもとても、ついていけません」

「それ以上に、違う勉強をしたくて」


奈津美、結衣、彩も里奈の前に来て

奈津美

「すごいねえ、花の女子大生になるんだ、かっこいいなあ」

結衣も

「ねえ、こんど女子会やろうよ、里奈ちゃん」

彩は、すでに手帳を取り出して

「いつがいい?」

と聞きだしている。


里奈は、本当にうれしくてしかたがない。

「はい、本当にありがとうございます」

と、一々頭を下げる。


そんな話をしていると、店のドアが開いてマスターが入って来た。

その後ろには、涼子と、涼子の腕に抱かれた祥子も見える。


マスターは里奈にニッコリ。

「はい、里奈ちゃん、おめでとう」

と、大きな紙袋を渡そうとする。


里奈は、サッと立ち上がり

「あ!はい!ありがとうございます!」

本当に頭を下げて、マスターから大きな紙袋を受け取る。


その里奈に涼子

「マスターは、洋子さんから話を聞いたら、急に動き出してね」

「本当に私もうれしいなあ、里奈ちゃん、本当に幸せな顔している」


史が、なんとなく気がついたようだ。

「マスター、もしかしてあれ?」

「マスター特製のソースの香りがする」


マスターは、クスッと笑う。

「しょうがないなあ・・・その通り」

「それで、そう来ると思ったからさ」

と、涼子に目で合図。


涼子がクスッと笑い、もう一つの紙袋から取り出したものは、白いホーローの箱。

華蓮も気がついた。

「もしかして、私たちにも?」


マスターは、笑っている。


さて、マスターが作ったものは、何だろうか。


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