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カフェ・ルミエール  作者: 舞夢
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華蓮と史(7)

華蓮と史のプールは、最後まで華蓮の大はしゃぎのうちに終始した。

史は、途中からかなり疲れていたけれど、懸命に付き合った。

何しろ、史が華蓮から離れようとすると、必ず華蓮が追ってくるし、すぐに

「史くーん!こっち」と指図されることもあったから。


それでも、プールを出ることになり、華蓮がまた声をかけてきた。

「ねえ、史君、鎌倉に来たんだから、もう少し歩こう」


史は、疲れ切っていたけれど、応えた。

「そうだねえ、長谷寺に行きたい」

史としては北鎌倉方面になると、歩く距離が多くなって、ますます疲れると思ったらしい。


華蓮は、少し考えて

「そういえば、長谷の観音様が見たくなったなあ、さすが史君」

「海が見える喫茶店もあるしね」


史の「思惑」が功を奏して、二人は再び華蓮のBMWに乗り込み、しばらくドライブ、そして長谷寺に到着した。


さて、鎌倉の長谷寺といえば、紫陽花寺としても有名になるけれど、今は真夏。

華蓮と史の目的としては、まず長谷観音になる。


華蓮

「とにかく大きな観音様だよね」

「うん、キラキラしていることは覚えている」

華蓮と史が、話をしながら階段状の坂をのぼっていくと、立派な観音堂が見えてきた。


すると華蓮はまたご機嫌。

「うれしいなあ、今日は史君とずっとデートだね」


史は、それでちょっと引く。

「デートって言っても、恋人同士ではなく」


華蓮は、その言葉にまたケラケラと

「史君の、その文句顔が可愛いの、子供の頃と同じ顔」


史が、また押されていると華蓮は追い打ちをかけてきた。

「史君って、いつも由紀ちゃんに怒られて、愛華ちゃんと加奈子ちゃんに追っかけられて、私のところに逃げ込んで来たよね」

「そして私が思いっきり史君をハグするの、それでいつもおさまる、由紀ちゃんも愛華ちゃんも加奈子ちゃんも、何も言えない」


史は、そんなことを言い出されてすごく恥ずかしかった。

「ねえ、華蓮ちゃん、観音様を見ようよ」

とにかく話題を変えたかったらしい。


華蓮は、その史の顔がまた面白い。

「そうねえ、観音様にお願いしようか」


史がまた「え?」と言う顔をすると、華蓮はまたケラケラ。

「あはは!史君の問題解決をお願いするの」


史は首を捻った。

「全く華蓮ちゃんの言い出すことは予想がつかない」

「問題解決って何?ひ弱ってこと?」


華蓮は史の疑問には答えなかった。

そのまま史の手を握り、また引きずって観音堂に入った。


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