表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
カフェ・ルミエール  作者: 舞夢
55/760

カフェ・ルミエールの広報誌(5)

史は、洋子の経歴については、史の母の美智子から聞いてある程度は知っているようだけど、やはり自分でも聞きたいらしい。

そのため、過去の一つ一つの話になり、取材時間は多くなりそうだ。

それは洋子にとっては「シメシメ、よしよし」だけれど、さすがに時間には制限もあった。

少しだけ話をした段階で、奈津美が出勤してきたのである。


そして奈津美が店内で話をする洋子と史を見るなり、一言。

「あらーーーー!史君の取材ですか?いいなあ!次は私?早くして欲しいなあ」

とにかく、洋子にとっては「本当におジャマ虫」である。


おまけに史は、洋子から視線を外し、奈津美の方を向く。

「はい、このカフェ・ルミエールの広報誌なので、奈津美さんも登場してもらいますので、その時にはよろしくお願いします」

キチンと頭まで下げる。


「そうかあ・・・そうなると・・・」

今度は、奈津美が雅の隣に座ってしまった。

そのうえ、わりと「ピッタリ気味」に座る。

「どうせ、PCで作るんだからさ」

奈津美には、何か考えがあるようだ。


「え?PCだから何?」

洋子は、奈津美の意図が見えない。

それより、なるべく奈津美には席を外してもらって、「キッチンにさっさと行ってほしい」と思っている。

何より「史へのピッタリ座り」が気に入らない。


「もしかすると、ホームページとか?」

ところが、史は奈津美の考えをすぐにわかったらしい。

奈津美も、ニッコリである。


「さっすが!史君!若いから反応が早い!」

奈津美は、ポンと史の肩を叩いたりする。


「う?当てこすり?弟子のくせに!」

洋子は、本当に気に入らないものの、「大人だし」と思い、態度には出さない。


「一度、マスターと涼子さんにも、相談してみます」

「それから、企画書みたいなのを、僕が作ります」

「叩き台が必要なので」

洋子と奈津美の想いはともかく、史は全く冷静。


その後は具体的な話は、マスターの意見と、史の企画書待ちになった。


姉の由紀が迎えに来たこともあり、史は由紀と、洋子のサヴァランケーキと奈津美の紅茶を飲み、帰っていった。



二人がいなくなった後、奈津美は洋子の脇をちょっとつついた。

「洋子さんも、史君フェロモンに感染したんでしょ」


「・・・うん・・・お花畑フェロモンだ」

洋子の顔は、また赤くなっている。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ