華蓮と史(4)
華蓮と史が入ったのは、イタリアンの店。
そして華蓮が「頼んでしまったコース」を見るなり、史はメニューを目を見張った。
「石窯焼きローストビーフ」
「スペインオムレツ」
「ボローニャソーセージ」
「自家製レモンドレッシングのサラダ」
「チーズの焼きリゾット」
「クアトロフォルマッジョのピザ」
「三元豚ロース肉のグリエ-マスタード風味」
「ドルチェ2種盛り合わせ」
史は華蓮の顔を見た。
「華蓮ちゃん、これ無理、食べきれない」
しかし華蓮は、ケラケラと笑っている。
「だめ、大旦那の命令、史にはガツガツ食べさせろって」
「それに奥様も、そうしなさいって」
史は、そう言われては仕方がない。
どれも、史の好きな味付けでもあったし、懸命に食べる以外にはなかった。
全てを食べ終えて店を出る時、また華蓮がフフンと笑う。
史が「え?」と言う顔で華蓮を見ると
華蓮
「夕食は、もっと豪快でもいいな」
史は、またここでも引き気味になるけれど、華蓮は全く気にしていない。
ニコニコと、BMWを走らせ、お目当てのプールがあるホテルに向かう。
さて、史は華蓮の隣に座りながら、華蓮が話していた「問題児」が気になった。
つまり、華蓮が何とかすると言った「問題児」のことになる。
そして、首を傾げて、華蓮に聞いてみた。
「ねえ、華蓮ちゃん、さっき言っていた問題児って誰?」
「華蓮ちゃんが、何とかするって意味もわからない」
すると華蓮は、フフンと笑う。
「史君も、超鈍感だ」
「君は、まだまだ女心の理解が足りない」
「気がついていないのが、その証拠」
しかし、それでは史には、ますますわからない。
首を傾げるだけの史に華蓮
「まずはプールなの」
「その子のことは、おいおいね」
史も、それ以上は聞きようがなかった。
BMWはすでにホテルの駐車場に入る寸前だったし、それで更に聞くのをためらってしまったこともある。
華蓮はプールの受付を済ませ、史にニッコリ。
「じゃあ、着替えて来てね、史君」
史は、また押された。
「あ・・・うん・・・」
史はそれで水着に着替えて、屋外プールに。
史が、少し華蓮を探していると、華蓮の大きな声が聞こえてきた。
「史くーん!こっち!」
史は、声の方向、そして華蓮の姿を発見。
そして、華蓮を見るなり、顔が真っ赤。
「え・・・マジ?華蓮ちゃん・・・すっごい!」
とんでもない、ナイスバディ、ビキニ姿の華蓮が、史に向かって手を振っている。




