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カフェ・ルミエール  作者: 舞夢
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史が熱中症でダウン(2)

由紀が玄関のドアを開けると、里奈は、すごく心配そうな顔で入って来た。

里奈

「私は、試合だったので、野球場には行かなかったんだけど、友達から史君のことを聞いて・・・」


由紀は、里奈に頭を下げた。

「ねえ、ごめんなさい、里奈ちゃんだって試合で疲れているのに」

「史は、とにかく子供の頃から体力が無くて、ちょっと炎天下に出ると、倒れちゃうの」


里奈は、首を少し横に振り、

「いえ、とにかく今日は、メチャクチャ暑かったし、何でも36度を超えていたそうです、そのうえずっと野外でしたから・・・」


母美智子も二階の史の部屋から降りてきて、里奈の前に。

「ほんと、もうしわけないねえ、わざわざ」

「今は、ダウンして話も何も、無理かなあ」


里奈はがっかりした顔。

「そうですか・・・少しでも顔が見たかったんですが」


由紀が、美智子の顔を見る。

「ねえ、母さん、見せるくらいならいいかなあ」

美智子も、少し考えて

「そうだね、話は出来ないけれど、見るぐらいなら・・・」


結局、三人は2階の史の部屋に入ることになった。


里奈は史の惨状を見るなり涙。

「史君、大変だったね」


由紀も、その涙でウルウル。

「ねえ、あのアホ監督・・・体力自慢って、ああだから嫌い」


美智子は、里奈に聞いた。

「ねえ、試合そのものは?」


里奈は、難しい顔になった。

「最初はリードしていたみたいなんですが、最後にサヨナラホームランされて負けたみたいです」

「それはいいんだけど・・・その後が・・・」


由紀は、里奈が何か知っていると思った。

「里奈ちゃん、何かあったの?」


美智子も里奈の次の言葉に注目する。


里奈

「私が野球部員に聞いたのは、野球部の監督が、野球部員全員を、野球場前の広場に集めて2時間のお説教」

「史君は、そのお説教が終わるのを、同じように立って待っていたそうなんです」


由紀は首を傾げた。

「いったい、何で炎天下で2時間も説教するの?そんなに話す内容があるの?」


里奈は、また首を横に振る。

「とにかく、今回の負けは、野球部員の根性と自覚が足りないということを、延々と繰り返すだけ、話も興奮してしまって、野球部員もよくわからなかったって・・・」


美智子は、「はぁ・・・」とため息をつく。

由紀も、呆れ顔になった。


その里奈の顔は、ますます涙にあふれた。

じっと、史を見つめている。

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