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カフェ・ルミエール  作者: 舞夢
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史の室内楽(5)

ブラームスのヴァイオリンソナタ「雨の歌」の次は、ヴィオラの由梨とチェロの夏美が加わった、モーツァルトのピアノ四重奏。

史も、少し落ち着いたのか、すんなりと曲に入る。


まず、学長がうれしそうな顔。

「しっかり溶け込んでいるね、その上キラっと光る音がいい」

榊原も、聴き入っている。

「モーツァルトらしいモーツァルトだね、ハツラツとしていて、心が元気になる」

内田は、少し考えて、学長の顔を見る。

「ねえ、学長、全く問題がないっていうか、このままでも本番の演奏としても使えます、誰に聴かせても恥ずかしくない」


学長も、それは実感したようだ。

「そうなると、適度に指導はするとして、なるべくこのまま活かして、実際に本番でやらしてみたいね」

榊原は演奏が進むにつれて、舌を巻いている。

「何というか、適応性がすごい、もともと音楽の心を知っていると思ったけれど、技術も高いし、すごい演奏家になる、人気もでる」

内田は、榊原の感想に反応した。

「音楽史とか音楽理論でもいいけれど、できれば演奏家一本がいいと思うんだけどねえ・・・余計な時間を使わせたくない」


さて、教師陣三人の高評価の中、モーツァルトのピアノ四重奏曲が終わった。


まず、真衣が、うれしくてしかたがない。

「史君、ありがとう、問題ないって!私、ノリノリだったもの」

夏美は、史の肩をポンと叩く。

「廊下で少し暗い顔だったから心配したけれど、史君って、そういうレベルの演奏家じゃないって、初見でこれだけ出来るんだから」

由梨は、夏美を押しのけて、史の手を握る。

「もうね、何時間でも、史君の伴奏だったら弾いていられる、ねえ、今度個人的にどう?」

・・・・・・

とにかく、女子音大生三人は、大騒ぎなので省略。


学長は、少し呆れ顔。

「誰かが言っていたけれど、女難の相があるのかもしれない」

榊原は苦笑する。

「史君を取り合って、バトルが発生するかもしれない」

内田も、少々困っている。

「史君には、里奈ちゃんって可愛い彼女がいるって聞いたよ」

「変なトラブルになると、史君は悩むタイプだからなあ・・・」


さて、そんな状態で、史の室内楽練習は終わった。

練習時間が午前中だったこともあり、学長のおごりで、昼食を一緒にということになった。


尚、その場所は、さすが音大の学長、恵比寿のロブションだった。

その美味に全員が、喜んだのは、言うまでもない事である。

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