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カフェ・ルミエール  作者: 舞夢
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由紀の読書 中世の食べ物(3)

由紀は、目覚めは良い方である。

そのうえ、今日は朝5時半に目覚めてしまった。

朝ごはんには、まだ時間があると思った。

そのため、起きて洗顔、歯磨きなどして、読書を続けることにした。


「こがし海老は何となくわかる」

「羽ふしあえは雉の羽節から先を細かく叩き調理したもの?へえ・・・」

「つまかさねは・・・鯛の子を二ヶ所仕切り、湯通しして、酒、塩、蜂蜜で焚いて山高盛りにするって・・・すごいなあ」

「ほろふは不詳?意味不明なんだ」

「寸金羹は、室町時代の天心、水の中に葛を入れ、よく混ぜて蜂蜜を入れ、15分程度練り上げる、これなら今でもできそう」

「鮒の煮こごりかあ・・・鮒がかなり多い」

「はまちの刺身、鮭の真子ねえ・・・これもお酒には合いそう」

「鴨の煎物、鴨の肉を筋引きし、酒、塩で蒸し煮するか・・・美味しそう」

「鰆せんばん焼かあ、美味しそう」


由紀はここで一呼吸、しかし先が見えてきたので一気に最後まで、読み進める。


「たちばな焼は、魚の身をすって、クチナシで黄色くして丸めて、からたちの枝にさすか・・・芸が細かいなあ」

「あかほこ、つまりカサゴの煮物か、これはわかりやすい」

「い貝は、へえ・・・ムール貝なんだ」

「塩引き魚を削ったもの」

「ぶりの煎物、さざえのあえもの、ツグミの煎物」

「ボラの刺身、しとと焼は不詳、ホッケの煎物」


ようやく献立が終わった。

「食品は重複を除き、100種類?」

「数の子とか鮭、ほっけ、タラ、ホヤは、そもそも北陸とか東北だよね」

「どうやって調達したのかな、それとも実は近海で取れたのかなあ」

「まあ、とにかくすごいや、食材もそうだけど、料理する人も全部できたわけなんだから」

由紀は、ここで驚くしかない状態。


「まだ信長メニューあるし、秀吉メニューもある」

「きっと豪勢なんだろうね、天下人だもの」


そして、また別のことを考える。

「でも、これが最高の料理と言うのはわかる、大金持ちだし」

「普通の人は、何を食べていたのかなあ」

「毎日、こんな食事はできないはずだし」


そして、そう考えたら由紀の行動は早い。

「よし、さっそく大学図書館に行ってみよう」

「中世の庶民食事事情も調べたい」

「何か見つかるかもしれない」

さっさと着替えて、図書館行きを決めてしまった。


廊下に出たら、ちょうどよく、史が自分の部屋のドアを開けて顔を出した。

由紀は、史に

「ねえ、史、面白い本だね、ありがとう」

と、珍しくお礼の言葉。


しかし、史は素っ気ない。

「へえ、でも、食べてみないと、美味しいかどうかわからないしさ」


そんな史に由紀は近づいた。

昨日決めたことを、しようと思った。

そして、いきなり史の頭をなでなでする。


「え?何?姉貴?」

史は、身体が硬直している。

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