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カフェ・ルミエール  作者: 舞夢
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華蓮と由紀と史(3)

史は、少し不機嫌。

「誰って・・・なんで姉貴にそこまで言わなければならないの?」

確かに、高校三年生にもなって、電話相手を姉に言うのも、史としては面倒なこと。

それでも、黙っていると、ますます由紀は、文句を言ってくると思ったらしい。

史は電話相手を正直に告げた。

「30分ぐらい前から、加奈子ちゃんと電話してた」

「かなり長い話だった」


由紀は、それでも怒った。

「どうして華蓮ちゃんが来るって言ったのに、上手に切れないの?」

「史のそういう優柔不断さが、いろんなトラブルを巻き起こすの!」

「だから、アホって、私に叱られるの」

由紀は、特に史に文句を言い出すと、全く止まらなくなる。


華蓮と母美智子は、互いに目くばせして、華蓮が割って入った。

華蓮

「そうじゃないの、由紀ちゃん、史君は何も悪くないの」

「私が史君たちの家に行くって言ったら、加奈子ちゃんが、どうしても史君とお話をしたいって言うから、私もいいよって言ったの、それが30分前なの」


すると史が、華蓮をじっと見た。

そして、史は華蓮に何か言いたいことがあるようだ。

「それでね、華蓮ちゃん、少し驚いたんだけど」


その史に、華蓮は、やさしい笑顔。

「なあに?史君、驚いたことって」


史は、母美智子の顔を少し見て、由紀は無視。

華蓮に話し始めた。

「あのさ、さっき聞いて驚いたんだけど、加奈子ちゃん、マジに都内の大学に決めたんだって、推薦でなんとなく決まっているみたい」

「それと、愛華ちゃんも、あと一歩みたいなんだって」


その史に、華蓮は、ニッコリ。

「うん、そうなの、それもあって、史君にも連絡したらって言ったの」


それを聞いた由紀は「え?」と、ポカンとした顔。

母美智子は、うれしそうな顔。


華蓮は、またニコニコと

「早く決めてもらって、文化講座構想のお手伝いもして欲しいしさ」

「もちろん、史君もだよ」


史も、その華蓮の言葉にうれしそうな顔。


ただ、由紀は、かなり気に入らない感じ。

「ねえ、私は?それに入らないの?仲間に入れないの?」


ほぼ黙っていた母美智子が、口を開いた。

「由紀ね、あなたは懐石の勉強があるんでしょ?清さんのお手伝いもするんでしょ?文化講座は、華蓮ちゃんと、加奈子ちゃん、愛華ちゃんと、史がいれば十分だもの」


「うっ」と口を閉ざした由紀に、史が一言。

「姉貴は、そういう細かい準備って無理、すぐに感情的になるし、周囲を混乱させるだけ」


やはり「史の一言」は、由紀には、「とんでもない言葉」だった。

「ポカリの手」が、史の頭上に伸びている。

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