カフェ・ルミエール文化講座構想(1)
大旦那のお屋敷に、晃、マスター、清が集められた。
その話題としては、カフェ・ルミエールのビルの空き部屋を改装して、様々な文化講座を開くということ。
大旦那
「晃をまとめ役というか代表にして、様々、考えたらどうだ」
晃
「確かに、何部屋か空き部屋がある、地下ホールもある、有効活用とは言い難い」
マスター
「晃さんの源氏とか古典口座もできるし、俺と清さんの料理とか作法教室もできる」
清
「洋子さんが了解してくれれば、洋菓子講座もできますね」
マスター
「それを言ったら、木村和菓子店の師匠の和菓子講座もできるし、産直市の大石さんの農業講座もできる」
晃
「楽団の榊原先生とか岡村先生の音楽講座もできるね」
大旦那はニコニコと聞いている。
晃
「ただ、その細かい調整を取る事務局が必要、部屋調整とか学生との連絡とか」
大旦那
「財団から何人か、出向させる、問題ない」
「財団の文化事業として位置付ける」
マスター
「それなら安心ですね、思いっきりできる」
清
「立居振舞というか、作法教室も欲しいなあ」
晃
「それと、託児所の機能があると、集まりやすい」
大旦那
「そうなると、涼子さんも来れるね、それも財団に話して、安心できる実力者を揃えるかなあ」
マスター
「最近、流行りのこども食堂もいいですね、安価で良質な食事を提供しつつ、食育を行う」
話が、どんどん盛り上がるので、晃は少し考えた。
「こういう時に、史がいると便利なんだけどなあ、書記は上手、わが子ながら」
「受験勉強もあるし、呼べない」
「かといって、由紀は、そういう性格じゃないし」
マスターも、同感。
「そうだねえ、几帳面な史君と、手より先に口が動く由紀ちゃん」
「まさに、そんな感じだね」
史の話が出た時点で、大旦那が思い出したことがあるらしい。
「そういえば、この間イタリア大使から連絡があってさ」
「史が、イタリア大使とかフィレンツェとかバチカン関係者の前でピアノを弾いたんだとさ、かなりの好評でさ、お礼を言われちゃったよ」
晃
「ああ、洋子さんに連れられて行ったらしいね」
マスター
「さすが、史君、誰にも溶け込む」
清
「史お坊ちゃまは大人しいですが、誰からも好かれる性格です、飾らないし威張らないし」
大旦那
「大使に話して、イタリア講座も考えるかなあ」
晃
「ますます、これでは書記が必要だ」
これには、全員が大笑い。
この日の集まりは、ひとまず事務局を立ち上げることで、終了した。
尚、事務局は大旦那の財団から、出向。
実は、大旦那には人選についても腹案があるらしい。




