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カフェ・ルミエール  作者: 舞夢
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三年生となった史と里奈のデート(3)

さて、デートの約束の日曜日。

史が、家を出かけようとすると、まず、姉の由紀

「ねえ、どこに行くの?里奈ちゃんとデート?」


史は、その姉がうるさくて仕方がない。

「うん、そうだけど、何か?」

とにかく素っ気ない対応。


由紀は、その史にムッとするけれど、「里奈ちゃんが相手なら心配ない」と思うので、「じゃあ、おみやげぐらいは買ってきてね」と、注文をつける。


そんなやり取りに、母美智子も出てきた。

そして、まず由紀に強烈な一言。

「姉の立場で弟にお土産をねだるの?そんなことを言う前にあなたもデートしてもらえる相手がいないの?」

下を向いてムッとする由紀にはかまわず、次に史に対して

「自由が丘だったよね、老舗の和菓子屋で、大福買ってきて」

と、お金を渡す。


史は、その母に「え?」と言う顔。

「どうして自由が丘って知ってるの?家の人には言ってない」


すると母美智子は、フフンと笑う。

「とっくに里奈ちゃんから聞いています、ほんといい娘さんだねえ」

「すごく感じが良いし、心がこもった話ができる」

と言いながら、今度は由紀に

「あの里奈ちゃんを娘にして、由紀を放り出したいくらい」

由紀は、ますますムッとした顔になるけれど、史は関わらなかった。


「じゃあ、行ってくる」

さっと玄関ドアを開けて、出てしまった。


そして思うことは

「どうして姉貴って、デートのたびに、なんか言ってくるんだろう」

「母さんの言うとおりだ、相手がいつまでたってもできないし」

「きっと、それは姉貴の性格に難があるからに違いない」

「でも、まあ、いいや、他人事さ」

とまで考えて

「でも、里奈ちゃんって、母さんと、いろいろ話していたんだ」

「自由が丘デートも母親公認かあ・・・」

「それで・・・お金は五千円か」

「食事とお菓子のお土産代かなあ」

と、考える。


「でもね、あそこの和菓子店は・・・定番の有名なのは王監督がコマーシャルでやってたお菓子だけど、どうして大福なんだろう」

とまた、考えるけれど、もうすぐに里奈の家が見えてきているし、その方に関心が移ってしまった。



さて、里奈も自分の家の二階の窓から、史が歩いてくるのを発見したらしい。

即座に階段を降りて、母親に

「ねえ、この服と髪の毛チェックして!大丈夫かなあ!」

真っ赤な顔をして、母親にチェックを頼み込んでいる。


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