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カフェ・ルミエール  作者: 舞夢
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三年生となった史と里奈のデート(2)

一緒に歩きながら、史に「デートのお誘い」の言葉をかけたのは里奈。

里奈から見て、史が少し元気がなかったので、少しでも気分転換をと考えたのである。


「史君、今度の日曜日空いてる?」

里奈としても、割と忙しい史なので、慎重な聞き方。


史は、少しボンヤリしていたけれど

「えっと、空いている、何かあるの?」


とにかく史の予定は、埋まっていないらしい。

里奈は、少しホッとした。

「でね、史君、あまり歩いたことのない街を歩いてみたいなあと思ってね」

と、お誘いをかける。


すると史

「へえ・・・歩いたことがない街かあ・・・それは面白そうだなあ」

「いつもは銀座とか神保町とか、横浜もあったけれど」

と、興味深そうな顔。


里奈には、実は歩きたい街があるらしい。

「それでね、史君、私、自由が丘って歩いたことがないの」

「おしゃれな街って聞いたし」

そう言って、史にスリスリ。

史の手も、いつもより強めに握る。


史は、そこで少し赤い顔。

「里奈ちゃん、恥ずかしいけれど、うれしい」

「自由が丘かあ・・・ずいぶん行っていないなあ」

「老舗のお菓子屋さんぐらいしか知らない」


里奈は、また史に迫った。

「ねえ、行こうよ、歩きたいし」


史も、そこまで言われて迫られると、拒む理由も何もない。

「うん、じゃあ、日曜日の9時ごろに、お迎えに行くよ」

と、ボンヤリ顔から、ニコッと笑う。


里奈は、その史の笑顔が、本当にうれしかった。

「わ!やった!」

そして、そのうれしさあまって、史の手をギュッと握ってしまう。


史は、途端にビクン。

「里奈ちゃん、最近、握力強くなったの?」

「ちょっと痛い」


里奈はそこで焦った。

「あ、ごめん、ピアニストの大事な手を」

と、恐縮して離そうとするけれど、それは出来なかった。


史は、またニコッと笑って、史の方から里奈の手を強く握った。


今度は里奈が、超赤面。

「もう!史君の意地悪!でも・・・うれしい」

里奈は、史の肩に、顔を乗せてしまった。

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