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カフェ・ルミエール  作者: 舞夢
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家に帰る車の中で

マスターのフルコースを食し、全員が帰途についた。

また、史と由紀、愛華と加奈子の子供たちは、明日も一緒に都内を散歩する予定。

その場所については、銀座界隈とだけが決っている。


さて、晃の一家が車に乗り込むと、まず、母美智子が史に

「ねえ、史、実はね」

と神妙な声。


史が母の顔を見ると、


母美智子

「さっきね、カフェ・ルミエールに来る前に、竜の親から電話があってさ」

「でも、史は家にはいません、今日は遅くなりますって答えておいたけど」

「それでさ、史が、直後に連絡してくれたけど、もう少し詳しく教えて」


史は、難しい顔。

「いろいろ、ひどいことを言われたの、みずぼらしい格好とか」

「音大に最初に行った時と、今日もそう」

「彼の車の前を歩いていると、邪魔だとか、俺の前を歩くなとか」

「とにかく竜は威張っていて、俺の前をヨタヨタ歩いたから気に入らない、土下座しろとまで言われたんだ」

「その前に、ジャケットのボタンが欠けるくらいに接触されて、しかも酒気帯び」

「愛華ちゃんと加奈子ちゃんが、竜の顔を覚えていて、文句を言ってくれた」

「竜もすぐに気づいて、立場が完全に逆転したんだ」

「音大のお姉さんたちが、警察に通報してくれた」

「それで警察が来てくれて、現場検証して、竜は逮捕された」

「音大の学長とか、榊原先生、内田先生も、僕に問題はないって言ってくれた」


母美智子

「うん、だいたいわかった」

「愛華ちゃんも加奈子ちゃんが、気分害したとか、それも心配だった」

「少し史に言い過ぎてごめんね」

母美智子は、またウルウルしている。


史は、少し考えて

「僕も、驚いていて、しっかり話せなくてごめんなさい」

「でも、竜の親の謝罪って、どうでもいい」

「とにかく、竜を簡単には許したくない、彼の誠心誠意の謝罪がないと」

「家の格とか、そうじゃないの、一人の人間としての謝罪がないと」

史の言葉は、そこで止まった。


晃が一言。

「大旦那も、かなり怒っている」

「竜の親としては、何とか子供の史でも丸め込まないと、竜の親も竜自身も将来がない、だから必死なんだ」


由紀も一言。

「私も史も、二回も、ひどく侮辱された」

「絶対に許したくない」

かなり厳しい口調。


さて、晃の運転する車が、家に近づいた時点で、少々の異変。

晃は顔をしかめている。

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