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カフェ・ルミエール  作者: 舞夢
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洋子とひとみ(1)

カフェ・ルミエール喫茶部が開店して、一月以上過ぎた。

相変わらず、ほぼ満員の盛況が続いている。


そんなカフェ・ルミエールに、一人の若い女性が洋子に会いに来た。


「いらっしゃいませ、ひとみさん」

洋子は、どうやら、その女性の名前を知っているらしい。

年齢も、洋子とほぼ同じくらい、ひとみと言われた女性は、カウンター席、洋子の前に座った。


「うん、洋子さん、お久しぶり」

「お店もにぎわっているようで、おめでとうございます」

ひとみは、洋子に言葉を返した。


「はい、おかげさまで」

「ご注文はいかがなさいますか?」

洋子が注文を尋ねると


「えっと・・・たまにはフランボワーズ」

「それと、紅茶でお願いします」

ひとみが、注文すると洋子は

「はい、かしこまりました」

早速、キッチンにいる奈津美に指示をする。


「それにしても立派なカフェだねえ・・・うらやましいなあ」

ひとみは、店内をあちこち見回して、感激している。


「いや、カフェの内装はね、マスターの趣味だよ」

「私も、初めて見た時は、びっくりしたもの」

「ほぼ、ニューグランドの内装と同じってね」

どうやら、洋子もひとみも、ニューグランドの関係者らしい。

ひとみも、すぐにわかったらしく、頷いている。


「お待たせしました」

そんな話をしていると、奈津美がフランボワーズと紅茶を淹れて持ってきた。


「この子ね、近所の木村和菓子店の職人さんでね、奈津美ちゃんって言うんだけど」

「洋菓子の修行をしたいっていうんで、今、預かっているの」

「なかなか、基本が出来ているから役に立っています」

洋子は、奈津美をひとみに紹介する。


「へえ・・・面白いわねえ・・・」

「私も和菓子に興味があるの」

ひとみは、奈津美に声をかけた。


「はい、お帰りにでも、店に寄ってください、私から親方に連絡しておきます」

奈津美は、にっこりと笑い、ひとみに応え、キッチンに姿を消した。



「うん、頭も仕事も、切れそうね、いいお弟子さんになりそう」ひとみ


「そうね、筋はいい、でもあくまでも修行、やがては和菓子に戻るよ」洋子


「そうだねえ、そうなったら・・・」

ひとみは、そこまで言ったけれど、その次が言いづらそうである。

洋子は、そのひとみの表情に、何かを感じた。



「ねえ、ひとみさん、何かあったの?」

「出来ることなら、何でも聞く、私とひとみさんの仲でしょ」

「今、ここで言いづらかったら・・・」

洋子は、忙しい昼間のカフェ・ルミエールよりも、夜のバーの方でもいいかなと思っている。


「うん・・・そうしてもらえると助かるかな」

ひとみは、どうやら、洋子に相談したいことがあるようである。





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