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カフェ・ルミエール  作者: 舞夢
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マスターのフルコース(1)

マスターからの連絡があったので、地下ホールにいた全員が、カフェ・ルミエールに戻った。

そして、マスターと由紀の相談の通りに、史の隣には洋子と奈津美、また史の前には結衣と彩が座った。

本当は愛華と加奈子も、史と一緒のテーブルに座りたかったのだけれど、由紀が「これ以上、母美智子に史を責めさせたくない」との話をして、納得をさせた。

そして、マスターも、その座席配置を見て、ホッとした様子。


まだまだ暗い顔の史に、洋子が話しかける。

「史君、元気だして、お母さんも心配してのことだから」

奈津美も史にピッタリ寄り添う。

「史君も、神経使いすぎ、もっと適当ぐらいがいいよ」

結衣も、史の表情が不安。

「私達は何でも聞いてあげる、大好きだから、仲間だし」

彩は少し明るい顔で

「ねえ、せっかくマスターのフルコースを食べられるんだから、しっかり食べようよ」


そこまで声をかけられて、史はようやく少し笑う。

「うん、そうだね、せっかくだよね」

「マスターの本気の料理、楽しみ」

その史の言葉に、洋子、奈津美、結衣、彩は胸をなでおろし、別のテーブルで見ていた由紀も、頷いている。


前菜が運ばれてきた。

「サーモンのフリヴォリテにソローニュ産キャビアと爽やかなワサビ添え」


史が即座に反応した。

「なんか、ロブションみたいな感じ、サーモンのフリヴォリテにキャビアとワサビが加わると、味の芸術」

洋子も、すぐに史の言うことがわかった。

「そうか・・・最後のワサビで、サーモンとキャビアの濃厚な感じを、締めるんだ」

奈津美、結衣、彩は目を閉じて味わっている。

とにかく話をして、口から美味がこぼれるのが、惜しいような表情。


次は

「プルーンとフォアグラをガランティーヌ、粒マスタードクリームを添え」

ここでも史

「まさかねえ・・・プルーンとフォアグラをガランティーヌ、アスピックも美味しい」

奈津美

「アスピックって、日本語で言うと煮こごりなんだけど、それも美味しいし、中身もすごいなあ」

結衣

「うーん・・・コッテリとしながら、どこか爽やかさと甘みがある」

洋子が、隣のテーブルにいる大旦那、奥様たちを見ると、本当にうれしそうな顔。

晃と美智子とも、楽しそうに話をしている。


「これも、マスターの料理の力かな、どんな人も幸せにさせる」

洋子が史に語りかけると、史はようやくニッコリと笑っている。


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