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カフェ・ルミエール  作者: 舞夢
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母美智子の「おしかり」

史がステージを降りてくると、父晃と母美智子が、声をかけた。

「史、災難だったな、大丈夫か?」

美智子は、史を詰問。

「どうしてトラブルが多いの!愛華ちゃんと加奈子ちゃんに失礼ですよ!」


史は、母美智子の怒りで、また顔を下に向けてしまう。


そんな美智子を奥様がなだめる。

「そんなことを言ったら、史君が可哀想すぎます」

「史君自身、何も悪いことをしていないのだから」

「加奈子も愛華ちゃんも、失礼なんて、何も思っていませんよ」


加奈子も、愛華も、奥様の言葉に頷いている。

加奈子

「史君は、堂々としていました、竜にも一歩も引きませんでした」

愛華

「私の方から、史君にお願いをしたことなので、私にも重い責任があるのですから」


ただ、なだめられても、美智子の顔は晴れない。

やはり「スンナリとなるべき」愛華と加奈子の音大見学でのトラブルを、問題視している。


また、史も母の言葉が重い。

顔を下に向けたままになっている。


そんな史に大旦那が声をかけた。

「史君、そう顔を下に向けるものではない」

「お母さんは、いろいろと心配が多いのさ」

「とにかく、何も悪いことをしていないのだから、胸を張りなさい」


史は、大旦那にそこまで言われて、ようやくその顔を上に向けた。

そして、父と母に

「ご心配おかけしました」

と、一言。

顔は、まだ暗い。


由紀のスマホが光った。

由紀がスマホを手に取ると、相手はマスターらしい。

マスター

「もしかして、美智子さんも史君をしかっている?」

由紀

「うん・・・史が、また暗くなった」

マスター

「全くなあ・・・さっき上の店に寄ったんだよ、美智子さんが妙に難しい顔しているからさ、史君を責めるかもって思ってさ」

由紀

「うーん・・・私も責めちゃったけど・・・」

と、困った顔になる。

マスターは話題を変えた。

「とりあえずさ、準備はできたから、店に戻ってくれ」

由紀

「ありがとう、じゃあ、戻るよ」


マスターは、もう一つ連絡があるらしい。

「それからさ、ついでだから、夜の部は8時まで貸し切りにした」

「昼の部の洋子さんたちも、ステーキ食べたいらしくてさ」

由紀は、そこで思いついた。

「じゃあ、史の隣は、洋子さんたちにお願い、親とか大旦那夫妻とか従姉たちは、私が対応する」

マスター

「ああ、それがいいかな、そう言っておく」

由紀

「私、これ以上、史の暗い顔見たくないの」

由紀は、少し涙ぐんでいる。

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