大旦那のメール騒動
もんじゃ焼きをたっぷり楽しんだ一行は、再びマスターの車に乗り込んだ。
すると、史がマスターに、おそるおそるの声。
「マスター、大旦那から『早く屋敷に来なさいって』メールが来ている、マナーモードにしていたから気が付かなかった」
由紀も、自分のスマホを見て「あっ」と声をあげる。
由紀も、史と同じ状態らしい。
そんな史と由紀に愛華が笑った。
「大丈夫や、大旦那は、心配しているだけや、うちも『了解』って書いてメールした」
加奈子は
「大丈夫やって、うちも『今、佃煮買って、もんじゃ焼き食べとる』って返信しといた」と笑う。
それを聞いたマスター
「あ、俺にも入っている」
とようやくスマホを確認。
そしてプッと吹き出す。
「大旦那ね、『おれも、もんじゃ焼き食べたかった、何故、誘わない』って怒っている・・・全く全員にメールするなんて、呆れるなあ」
由紀は、笑いだした。
「大旦那って、もんじゃ焼きは、似合わないって」
史も
「全然、想像つかない」
愛華
「食べ方、知らんと思うわ」
加奈子
「ヘラを持って考え込むんちゃう?」
結局、車内は大笑いになっている。
マスターが、それでも全員に声をかけた。
「仕方ないなあ、行くとするか、また遅くなると、何を言われるかわからないしなあ」
由紀も納得。
「途中で、何かお土産を買っていくとか」
史が
「そんなこともあると思って、佃煮を数種類余分に買った、お土産は銀座で羊羹とか?」
マスターは
「そうだなあ、麻布でたい焼きってあるけどさ、売り切れかなあ、羊羹が無難かな」
由紀は
「でもさ、今、銀座の大通りって歩行者天国だよ、また時間かかる」
愛華が吹き出した。
「これも、なかなか難儀や」
加奈子
「結局、祖父様が一番難儀や」
ここでも、全員が大笑い。
ただ、お土産は、その後、すぐに決まった。
史が、佃島に老舗の和菓子店があることを思い出した。
史
「あそこの、桜饅頭が美味しいから、それにしよう」
由紀も、推薦する。
「確かに、あれは絶品」
史と由紀の意見が、珍しく、即座に一致している。




