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カフェ・ルミエール  作者: 舞夢
416/760

佃島へ(2)佃大橋上で

マスターの車は、佃島に入った。

そして、車を駐車場にいれて、全員で歩き出した。


マスターが史に声をかけた。

「まずは、佃煮屋さんから?」

すると史

「マスター、少し遠回りになるけれど、佃大橋にのぼろうよ」

にっこりと笑う。

マスターもうれしそうな顔になる。

「そうだなあ、春の風が気持ちがいいしな」


愛華、加奈子は、佃島の下町情緒に興味がある様子。

愛華

「佃島って、何か、日本の古い感じ?これはこれで落ち着くなあ」

加奈子

「落語家が出てきそう、風情あるなあ」


由紀も、ようやく口を開く。

「ここって、すごく古くて、空襲もなかったのかな、そのまま残っている」

そんな由紀に、史が寄っていく。

「姉貴、後で、住吉様にも参拝しよう」

「小さい頃、姉貴と行ったよね」


由紀は

「うん・・・行く・・・」

史から優しい言葉をかけられて、また涙顔。


そんな話をしながら、一行は佃大橋への階段をのぼった。


加奈子

「うわーーー!気持ちいい!」

愛華

「広々として・・・気持がスッとする」

「高層マンションも建っているけれど、昔ながらの下町風情も残っている」

「それで、川の向こうが、築地とか銀座になる」

愛華

「あれ?水上バスだ・・・へえ・・・乗ってみたい!」

由紀

「あれは浅草からかなあ、満員だね」

加奈子

「ねえ、こっち見て、手を振っている」

マスター

「じゃあ、手を振り返さないと」

マスターが水上バスの客に手を振り出した。

愛華

「じゃあ、うちも」

加奈子

「なんか、こういうのいいな」

加奈子も手を振る。

史も手を振りながら

「あそこに見えるのが、住吉神社」


由紀もいつの間にか手を振っている。

「なんか、佃煮の匂いがしてきた」


史が由紀に

「そうだね、お腹減ってきた?」

と聞くと

由紀

「うん、私も佃煮って大好き!」

と、ようやく笑って、史の顔を見る。


そんな由紀に、マスターはようやくホッとした顔。

そして、由紀について、いろいろ考える。

「結局、由紀ちゃんは、なんだかんだと言って、史君が可愛くて仕方がない」

「とにかく離したくなくて、自分に素直な可愛い弟のままに、しておきたい」

「でも、史君は、由紀ちゃんの予想を越えて、いろんな人の興味を集めてしまう」

「由紀ちゃんも、そろそろ、何とかしないとな」


史が、マスターに声をかけた。

「じゃあ、住吉様に参拝してから、佃煮屋さんへ!」

史の声も、さっきよりは、明るくなっている。


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