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カフェ・ルミエール  作者: 舞夢
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史、由紀、愛華、加奈子の音大見学(2)

史と由紀は、愛華と加奈子の出迎えのために、品川駅の新幹線改札口の前に立っている。

由紀

「とにかく荷物ぐらいは持ちなさいよ、車で動かないんだから」

史も、それにはスンナリと頷く。

「愛華ちゃんにも、そのことを言ったの」

「京都と違って、車で移動とか出来ないって」

由紀は史の顔を見た。

「いつ、愛華ちゃんと話したの?」

史も素直に答える。

「一昨日かなあ、京都の時は全部送迎だったけれど、電車で動くよって言ったの」

「そうしたら、愛華ちゃんも、東京の私鉄に乗りたいって、それでホッとした」

やはり、史も少々気にかけていたようだ。


史と由紀が、そんな話をしていると、愛華と加奈子が改札口に顔を見せた。

そして史が、手を振ると、愛華は真っ赤な顔で手を振り返してくる。

加奈子も、同じような感じ、少し緊張しているようだ。

ただ、この時点でわかることは、二人とも大きなバッグは持っていない。


改札口を出てきた愛華に、史が声をかけた。

「愛華ちゃん、長旅、お疲れ様」


愛華は、ますます真っ赤な顔。

史をじっと見て

「史君、ありがとう、うちの我がままやけど、付き合ってな」

本当に史の顔を見て、うれしいようだ。

すでに、ウルウル状態になっている。


由紀も声をかけた。

そして、気になっていたバッグについても聞いてみた。

「加奈子ちゃんも、お疲れ様」

「で、大旦那のお屋敷に一泊するって聞いたけれど、荷物をどうしたの?」


加奈子は、そこでやっと笑顔が出た。

「うん、それが少し変更になってね、二泊することになって」

「二人とも荷物を業者に送ってもらったの、軽くして歩きまわりたいから」


愛華は、史にニッコリ。

「だからな、史君、都内のJRとか私鉄とか地下鉄とか、乗りたくて仕方がないんや」

「京都だと、お抱えの運転手ばかりで、逆に気を使うしな」

「ほんと、すっごい自由な感じやなあ」

赤い顔から、今度は晴れ晴れとした顔に変化した。


由紀も、それには同調した。

「そうだねえ、お抱えの運転手だと、便利だけど監視されているって感じなのかな」

「こっちだと、そういうことはないから」


史が口を開いた。

「それじゃあ、まず音大からにしよう」

「内田先生と榊原先生には連絡してあるよ」

と、全員に目配せ。

そして、「こっち」と行って歩きだす。


愛華も、スッと史の横に立って歩きだした。


それを見た加奈子

「あ・・・まず・・・私が史君の隣だったのに」

由紀も

「愛華ちゃん・・・強い・・・あの目、あの行動の早さ」

「史にしては、段取りがいいけれど、どうせポカをするに違いない・・・それが不安だ」


史はともかく、愛華、加奈子、由紀の内心は、それぞれ必死である。


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