史と里奈の鎌倉散歩(6)
史と里奈は、明月院に入った。
里奈が
「ここもよく来たよ、紫陽花の時期に」
と話しかけると、史は
「うん、僕も時々来る、でも、土日は大行列で大変」
と、そんな感じで坂道をのぼっていくと、明月院の方丈の前に出る。
里奈
「あの方丈の丸窓が好きなの」
史も
「そうだね、丸窓の奥というか、向こう側の庭には、花菖蒲かな」
里奈
「ねえ、紫陽花の時期にも来ようよ、花菖蒲を見たい」
史も
「うん、来よう」
ここでも、スンナリと話がまとまる。
二人は、その後、明月院の開山堂の前に進む。
史が
「この開山堂の屋根の形とか全体の雰囲気が好き」
と言うと
里奈
「きれいに整っているし、なによりゴテゴテしていない、禅寺だからかなあ」
と、うっとりと開山堂を見ている。
さて、史はしきりに、開山堂の脇に置かれた進入禁止の看板を気にしている。
里奈が
「どうかしたの?」
と聞くと、史は
「うん、山崩れとかの危険があって拝観禁止になっているんだけどね、その奥に小さなお堂があって、すごく綺麗な観音様が立っているの」
と答えると、里奈も思い出した様子。
「あ、知っている、私も拝んだことあるよ、見たいねえ・・・」
史は
「入れなくなって見られないのも、残念だね、お寺で何とか見られるような場所に置いてもらえないかなあ」
と言うけれど、
里奈は
「私もそれを聞いたことがあるけれど、なかなか難しいみたい」
と、里奈も難しい顔になる。
そんな話をしながら、二人は明月院を出て、建長寺に向かうことになった。




