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カフェ・ルミエール  作者: 舞夢
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音大訪問(1)革ジャンバイク男と遭遇

史が姉の由紀と一緒に、音大を訪問する土曜日になった。

その由紀は朝から大騒ぎ。

「史!マスクした?風邪薬飲んだ?まだ寒いんだから、しっかりと防寒着しなさい」

とにかく、あれこれと世話を焼く。


史は

「ああ、やかましい!だから姉貴って面倒」

「音大に行くことより、姉貴と一日付き合うほうが面倒だ」

と思うけれど、そんなことを言ったら、必ず逆ギレされるし、口ではとてもかなわないから、ムッとしたままになる。


それでも、招待してくれた榊原先生、内田先生は午前十時に音大内のレッスン室で待っているというので、時間に遅れるわけにはいかない。

少し早めに家を出て、午前九時半には最寄りの駅に到着した。

この駅から歩けば、ほぼ十分程度で音大の校門に着く。


その道を歩きながら、ここでも由紀は

「ね!私の言った通りでしょ?」

「何事も余裕が必要なの」

「これだけ、時間に余裕があれば、キャンパスも散歩くらいできる」

史に、いろいろと言ってくるけれど、史は面倒。

「そうだね」

と言ったきり、何も答えない。


それでも、二人でトボトボ歩いていると、後方から大型バイクの音が聞こえてきた。

由紀が

「うるさいなあ・・・せっかく楽しい音大キャンパス訪問なのに」

と思って振り返ると、いかにもヤンキー風、リーゼント頭で黒革ジャンの若い男が、バイクを吹かしている。


史は

「いいよ、とにかくレッスン室に急ごう」

「関係ないでしょ?気にしてもしょうがない」

と、全く気にしない様子。


由紀も

「まあ、それはそうだ、史の言うとおりだ、珍しく史もマトモなことを言う」

となり、また歩きだす。


しかし、そんな二人の無関心も、そこまでだった。

そのバイクが、突然、急接近してきたのである。


由紀は

「うわ!危ない!」

思わず、そのバイクから飛び退いて避けた。

史も、同じく

「何てことするんだ!」

と言いながら、由紀と同じ方向に避けた。


しかし、その革ジャンバイク男は、史と由紀の様子など、何も見ない。

またしても、バイクの大爆音を鳴らしながら、音大の構内に入っていく。


由紀は、ムッとしている。

「もしかして、アレも音大生なの?」

史も

「ちょっとずれたら事故で怪我だよ」

本当に、怒っている。


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