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カフェ・ルミエール  作者: 舞夢
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有望なお菓子、カンノーリ

史は、ようやく昼寝から置きた。

時計を見ると、午後三時を過ぎている。

「あ、やば、マジで寝ちゃった」

「結局何も進んでいない」

少々反省しながら、ぼんやりしていると、ドアの向こうから由紀の声が聞こえてきた。


「史!いつまで寝ているの!」

「さっさと降りてきなさい」

そう言いながら、ドタバタと音がするのだから、由紀は階段を降りていくらしい。


史は

「全く、起きるなり、文句ばかり」

「きっと歩く文句女だ」

と言いながら、さすがに真面目な史、部屋のドアを開ける。


そして

「え?マジ?」

と、鼻をクンクン。


「へーーー!何か新作かなあ・・・」

と、いきなり目が覚めた。

そして、由紀ほど、ドタバタではないけれど、少し急いで階段を降りてリビングに。


リビングでは、母美智子が

「えへへ、新作というか、初めて作ったんんだけどね」

と、ニッコリ。

お盆に乗せて、ケーキを三つ持ってくる。


由紀は

「これわかる?名前知っている?」

とにかく、フフンといった顔。


史は

「パイ生地の筒の中にリコッタチーズ、チョコレート、オレンジピール」

「そして・・・そのお味は・・・と」

そんな感じで、由紀の「フフン」などには対応しない。


そして一口食べて

「ほー・・・コクがある」

「どっちかというと、イタリア系?」


それを聞いた美智子

「ほーーー・・・よく感づいた」

「実は、シチリア島のお菓子だよ、カンノーリって名前だよ」

「作るのも、それほど大変じゃないし、これから流行ると思うよ」

「中にいろんな詰め物が出来るから、アレンジもいろいろ」

「ティラミス、マカロンのブームが終わっているから、今度はこれかな」

と、ニッコリする。


史は

「イタリアのシチリアだから、オレンジとかレモンとか、いいけれど」

「リンゴも入れるといいかも」

と、ぱたパクリと一口。

とにかく美味しいらしい。


そんな史に由紀が

「お菓子はともかくさ」

「ねえ、洋子さんとのデートはどうなったの?」

と聞くと


史は

「あれ、言い出せなかった、干菓子とお香と源氏の話で盛り上がってしまって」

素直に応える。


美智子は

「まあ、それは今すぐじゃなくてもいいわけだし」

「まずは、音大に行くんだったら、なるべく事情を早く聞いてきたら?」


史は、そこで由紀の顔を見る。

「榊原先生に連絡してみる、僕としては今度の土日のいずれか」

由紀も、すんなり頷く。

「大丈夫、任せて」


そんなことで、史と由紀の週末の音大見学が決定した。

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