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カフェ・ルミエール  作者: 舞夢
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史の柔道(7)

柔道部キャプテンの野村が再び、治樹に迫った。

「おい!治樹!史君がお前に何をしたって言うんだ!」

「何の悪意を持っていない史君にそんなことして、お前はガキか!」


治樹はますます震えあがった。

何しろ、全て図星なので、抗弁が出来ないのである。



その後、治樹は学園長室に三輪担任と柔道部の佐野顧問と出向いた。

柔道の授業中ではあるが、暴行まがいの行為に対する反省文提出と校則違反に対する自宅謹慎一週間の決定がなされた。



しかし、これで問題が解決したのではない。

何しろ史は、自分が怪我をさせられたことまで、「自分の責任」として悩み、「学園をやめたい」とまで、思い悩んでいるのである。

治樹と三輪担任、柔道部顧問の佐野が柔道場を後にしたあと、その柔道場に残った生徒たちで話し合いがもたれた。


「確かに、超繊細な史君なんだ」良夫

「どうして、そこまで考えちゃうのかな、自分が何も悪くないのに」美佳

「やさしすぎるのか、ある意味弱いのか」涼香

「でもさ、こんなことで史君がいなくなると、こっちもいやだ」ひとみ


史の同級生の里奈が口を開いた。

「私、明日からお迎えに行きます」

「馬鹿な治樹とはいえ、同じ柔道部がした不始末だし」

「それと、駅も隣だから、困りません」

「何か、私たちの気持ちを伝えたいの、史君には残ってもらいたいし、閉じ込めたくないし・・・」

とにかく、必死な顔である。


「う・・・ドサクサに紛れて・・・私は逆方向か・・・熱意だけは認める・・・でも、できることとすれば、まずそれか・・・しょうがないかなあ・・・」美佳

「私も逆方向・・・いいよ、それお願い、里奈ちゃんは同級生でもあるし、でもそれ以上はダメ」涼香

「私鉄が違うか・・・悔しいけど付き添い係としてのみ認めてあげる」ひとみ

どうやら「史の自称警護団」のお姉さんも「それくらいなら、お迎え限定」と、納得してしまったようだ。



「まあ、それなら、里奈ちゃんそうしてもらおう、史君は皆でおいおい慰めよう、史君には史君を心配する人が多くいるってことを感じてもらおうよ」良夫

「本当に我が柔道部員の不始末、俺が謝る」野村

生徒たちの話し合いは、そこで終わった。



里奈は早速、史に電話をかけた。

史は話の内容を聞いて、少し驚いていたが、「お迎え」をOKした。

「ありがとう、心配してくれて、いろいろごめんなさい」

「里奈ちゃん、迷惑かけるけれど、よろしくね」

「すごく、うれしいよ、里奈ちゃん」

その史からの言葉で、里奈の顔はニンマリかつ真っ赤になった。



「さて・・・どうなることやら・・・」

どうやら「格闘お姉さん3人組」は、里奈のニンマリ、真っ赤顔が、どうにも気に入らないようである。

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