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カフェ・ルミエール  作者: 舞夢
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え?史?それを食べたいの?

史にとって、チゲ鍋は効果が高かった。

食べる量そのものは、少なかったものの、それでも寝込み始めた時よりは増えた。

母美智子や由紀、カフェ・ルミエールの女性陣も、史の食べる姿を見てホッとする。


美智子

「これほど心配されていることを自覚してね」

由紀

「焦らなくてもいいけれど確実に回復して」

洋子

「大丈夫、みんなが支えるから、いつも支えてもらっている御礼だよ」

史も、その思いは感じているらしく、食べられるだけ食べた。

食べ終わって、少しハスキーな声ながら、

「ありがとうございます、さっとお風呂に入って、すぐに寝ます」

と話し、その通りにした。



翌朝になった。

史は、身体の軽さを自覚した。

「チゲ鍋が効いたのかなあ」

「汗もたくさんかいた」

「朝だけど、少しお風呂に入ろう」

となり、自分で沸かしてお風呂にも入った。


風呂から出てくると由紀が

「ねえ、大丈夫?朝からお風呂なんて、ひどくなったらどうするの?」

と声をかけてきた。

史は

「うん、昨日と全然違う、すっごい楽」

「もう一回、寝たら動けそう」

と、昨日よりは明るい顔になっている。


母美智子も出てきて

「うん、お昼もお腹にやさしいものにするね」

「もう一度、お薬飲んで寝なさい」


史も素直だった。

「うん、心配かけてごめん」

そのまま、自分の部屋に戻り、眠りの世界に入った。



由紀はそんな史を見て

「はぁ・・・世話が焼ける」

「どうして弱いのかなあ」

まだまだ、不安な様子である。


美智子は

「とにかく几帳面で頑張りやなの」

「他人に気を使いすぎて、無理をするところがある」

「だから集中力が途切れると、一気にガタンと落ち込む」

「とにかく基礎体力が弱いかも」

と難しい顔になる。



それでも、史は翌日には、ピアノが弾けるほどに回復した。

そこまでは良かったけれど、マスターと涼子、祥子の披露宴の司会も迫っている。


由紀は史のピアノを聴きながら


「原稿も作らないとなあ」

「マスターの家にもホテルにも打ち合わせに行かないと」

「でも、史を外に出すのは、まだ危険だ」


少し焦るけれど、ここでは史のしっかりとした回復を待つしかない。


さて、史がピアノの練習を終えて、由紀の顔をチラッと見た。

そして、少し恥ずかしそうな顔。


「姉貴、あのさ」

由紀

「え?何?」

由紀は史の次の言葉が読めない。

史は、ますます恥ずかしそうな顔になる。

そして

「おなか減った、焼肉食べたい」


それを聞いた由紀


「え?マジ?食べたいの?」

「食欲戻ったの?」

「焼肉?史が?」

「わーーー!私も食べたい!」


最初はキョトン顔の由紀だったけれど、とにかくうれしくなってしまった。

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