マスターと由紀の横浜デート(4)
マスターと由紀は、歩道橋を渡り、横浜元町の通りにでた。
その時点で、由紀は大感激。
「えへへ、やはりかっこい!」
「きれい、おしゃれ!」
「素敵なお店だらけ」
完全、ウキウキ状態である。
マスターは、
「ああ、懐かしいなあ」
と思いながら、時々「老舗」系の店をのぞく。
そしてやはりホテル時代の顔なじみらしい、話も弾む。
洋食器店に入ると、仕事柄なのか、結局、数点買い求める。
由紀にも、オリジナルのマグカップを買っている。
洋食器店を出ると、マスター
「由紀ちゃん、まず食事かな」
と声をかけ、由紀も頷いたので、元町の大通りを過ぎて、裏通りに入った。
少し歩くと、瀟洒な洋館のレストランが見えてくる。
マスター
「ここの創業は、1881年、古き良き横浜というのかな、西洋と日本のおもてなしの精神をベースに様々な趣向を凝らしてある」
由紀は
「そうだね、すごくかっこいい」
そんなことを言いながら、レストランに入る。
すぐに支配人とシェフが出てきた。
支配人
「お待ちしておりました、お懐かしいですね」
深く頭を下げる。
シェフも同じく頭を下げて
「全ては、先輩のご指導通りに」
そんな支配人とシェフとマスターはしっかりと握手。
「うん、この可愛い娘さんは、晃さんと美智子さんの娘さん」
由紀を紹介すると
支配人
「おやーーー!可愛いですねえ」
シェフ
「それじゃあ、いろいろサービスします」
「晃さんも美智子さんも、懐かしいなあ」
うれしそうな顔になる。
そんな挨拶を終えて、マスターと由紀は、予約席に座った。
マスター
「懐かしいのはこっちのほうだけど」
クスッと笑うと、由紀
「すごく楽しみです」
その目がキラキラと輝いている。
そして運ばれてきた料理は
サーモンの自家製フュメと藻と胡瓜のジュレ
カリフラワーのブランマンジェとそのブルーテ
地養鶏のコンフィと根菜類のポトフ仕立て
長芋のリゾットマッシュルームと白トリュフ油風味 貝類の泡雪掛け
マトダイの蒸し煮と三浦大根のコンフィ・サフラン風味
冬キャベツの粒マスタード合えとブイヤベース風のソース
神奈川県産ぽーくロース肉の網焼き黒胡椒ソース
じゃが芋と椎茸のオーブン焼きブルギニョン風
デザートが
白チョコレートのババロアとイチゴのコンフィチュールカクテルグラス詰め
マスターも由紀も、素直に食べはじめた。




