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カフェ・ルミエール  作者: 舞夢
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クリスマスコンサート(6)

洋子は、大きなバスケットを手に、

「ここにいるのも何だから、史君の楽屋に行こう」

と、史に声をかける。

史も、すぐに応じて、全員で楽屋に入った。


洋子は、楽屋の中で、

「史君、お疲れ様、栄養補給だよ」

と言って大きなバスケットを開ける。


史は「え?」と言う顔。

里奈はバスケットの中身がわかっているらしく、ニコニコしている。


奈津美が

「はい、まず水分補給」

と、テーブルの上に、全員分のカップを並べた。


結衣が

「史君の好きなローズヒップ、少し甘めにしたよ」

と、全てのカップの中にローズヒップを注ぎ込む。

途端に、甘酸っぱい香りが広がっている。


彩は、テーブルの上に白いケーキの箱を置いた。

そして、その箱を開けて

「はい、私たち特製のフランボワーズ、少し酸味を強くしたかな」

確かに、華やかなフランボワーズが出てきた。


美幸が

「この人数分だけ、切り分けるね」

と、きれいに切っていく。


ローズヒップも全員に注がれた後、

洋子は

「さあ、召し上がれ、第九を聴きながらだけど」

と、クスっと笑う。

確かに楽屋のモニターから、第九の演奏が見えるし、順調に進んでいる。


史はうれしかった。

「じゃあ、遠慮なく」

と、まずはローズヒップを一口。

目を閉じて飲み込んだ後

「うん、生き返る味です」

柔らかい顔になった。

フランボワーズも一口

「うん、完璧です、いやそれ以上・・・さすがですね」

と、納得顔になる。


洋子が里奈の脇をつつく。

洋子はクスクス笑っているけれど、里奈は赤い顔。


赤い顔の里奈が、

「史君、ローズヒップもフランボワーズも、みんなの指導を受けて、私も参加して」

少し、言葉が混乱しているけれど、意味は理解できる。


奈津美は

「うん、里奈ちゃん、動きが速いし、感もいい」

結衣は

「覚えもいいね、アルバイトに来てもらいたいくらい」

「味覚も嗅覚もすごいよ、今回のクリームの配合は里奈ちゃんのセンス」

美幸も里奈を褒めた。

「料理学校に誘いたいくらい、包丁も器用だよ」


そんなことを言われて、里奈はますます真っ赤な顔。

史は、緊張感が和らいだこともあり、本当にやさしい顔で里奈を見つめている。


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