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カフェ・ルミエール  作者: 舞夢
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クリスマスコンサート(1)

さて、ついにクリスマスコンサートの当日になった。

史と由紀が朝食を食べていると、母美智子が声をかけてきた。


美智子

「今日は、しっかりとね」

「ああ、大旦那と奥様も来られるそうです」

と、真面目な顔。


由紀は

「うん、大丈夫、バッチリ」

と胸を張る。


史は

「何とかなるかなあ、出たとこ勝負かなあ」

と、いつものオットリの感じ。


父晃からも声がかかった。

「ああ、カフェ・ルミエールも今日は休みって言ってたな」

「全員聴きに来る、ああ、涼子さんだけ無理かな」

「祥子ちゃんも生まれたばかりだしね」

と、残念そうな顔。


そんな晃に史が

「うん、大丈夫、コンサートホールの様子を、そのまま涼子さんのPCに転送できるようになっている」

由紀も知っているらしく頷いている。


そんな話をしていると、

今度は美智子が由紀に

「ねえ、マスターとコンサートが終わったらお出かけするの?」

と聞くので、由紀はにっこりと頷く。

「はーい、美味しいものたくさん食べてきます!」

と言うけれど


美智子

「ところでさ、あそこのお店のクッキー買ってきて」

と、指示をする。

史も

「ああ、あそこのバターの使い方は好き」

晃はクスッと笑うけれど

由紀は「う・・・面倒だけどいいや、マスターと一緒だから」と、珍しく素直に注文を受けた。


そんな朝食の時間が終わり、少しコンサートの準備などをしていると、玄関のチャイムが鳴った。

そしてインタフォンから

「おはようございます。加奈子です」

加奈子の声が聞こえてきた。


美智子が玄関を開けると確かに加奈子が立っている。

美智子は、大はしゃぎになった。

「あーーー!加奈子ちゃん?」

「あらーーー!可愛くなって!」

「この間は、史がありがとう!」

「さあ、あがって!」


加奈子も

「はい、お久しぶりです」

と美智子に頭をしっかりと下げて、一緒にリビングに入った。

そして晃にも頭を下げる。

「晃おじさま、久しぶりです、加奈子です」


晃も

「ああ、加奈子ちゃん、この間はご苦労さん」

「兄貴も雅仁さんも喜んでいた」

と、やさしい笑顔である。


史は

「ああ、いろいろとお世話になりました」

と、またオットリ気味で普通。


ところが由紀は少し真顔。

「ねえ、ちょっと加奈子ちゃん」

と加奈子を手招きする。


そして二人でコソコソ。

由紀

「ねえ、まさか愛華ちゃん、来ないよね」

加奈子

「うん、コンサートの話は何も言っとらんから」

由紀

「下手に来られるとさ、史ってアホだから、里奈ちゃんと鉢合わせされて、動揺するに決まっているからさ、演奏が不安になる」

加奈子

「うん、うちもそれが、メチャ心配なんや、だから言わんでおいた」

「大旦那の前で、ふらついた演奏させられんしな」

由紀

「加奈子ちゃんはともかく、他の人は京都から来ないよね」

加奈子

「うん、寒いしなあ」

・・・・・・

とにかく、そんな話をコソコソとしている。


それを見ている晃と美智子は「え?」という感じ。

史は、何も興味が無いらしく、ピアノの練習を始めている。

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