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カフェ・ルミエール  作者: 舞夢
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史の柔道(3)

史は翌日、右足首にギブス、松葉杖で、姉の由紀に付き添われて登校した。

当然、有名人でもある史のそんな姿は、まず学生たちの注目を集めた。


「柔道の授業らしいよ、柔道部の治樹に右足首蹴られたんだって」

「あいつかあ、何でも力任せだよね、態度も横柄でさ」

「でも、その後、史君に投げられたんだって」

「え?柔道部員を史君が投げちゃったの?史君、柔道もできるの?」

「それでね、あの柔道部の顧問の佐野がね、史君を柔道部に引き抜こうと追いかけたらしい」

「ああ、あれもねえ、体育会至上主義だよね、精神論ばかりでさ」

「いまだに、うさぎ跳びをするって聞かないよね」


そんな話は、すぐに女子柔道部のエースで、史の自称警護団を名乗る美佳の耳にも入ったらしい。

美佳は、すぐに史のクラスに来て、

「史君!大丈夫?治樹かあ!絶対にカタキとってやる!」

「弱いくせに、危険な技をかけやがって!」

「あーーー昨日学校休んだのが失敗だった!」


美佳は、同じ柔道部員で、史と同じクラスの里奈にも声をかけた。

「里奈!何で昨日のうちに言わないんだい!」

「もう!里奈には任せられないって!」


里奈は少しうなだれた。

「私だって、治樹君とか佐野顧問に抗議したんです!」

「でも、絶対に柔道部はともかく、他人には言うなって、大会前だし、大事には出来ないって、逆に怒られて」

「それに美佳先輩は、昨日は休みじゃないですか!」

「私だって、ここまで史君の怪我が大きいとはわからなかったし・・・」


そんな話をしていると、担任の三輪が教室に入って来た。

そして、史に声をかけてきた。

「とにかく、事情聴取です、学園長室に来られる?」


「あ・・・はい・・・」

史は、松葉杖で立ち上がった。

そして、担任と教室を出ていく。



「まあ、佐野顧問は、許せないね」美佳

「それと史君の足首ですよね」里奈

柔道部員二人がそんな話をしていると、史のクラスの同級生から、また別の情報が入って来た。


「あの佐野顧問ね、史君が意外に柔道が出来るって、前から注目していて」

「実は何回も柔道部に誘ったんだけど、断られ続けて」

「昨日も授業前に、誘って断られて」

「それで腹いせで治樹君に、厳しく攻めろって言ったみたい」


「それで治樹は?」

「ちょっと呼んできて!」

美佳は、治樹を呼ぼうとした。

しかし、呼べなかった。


「すみません、治樹君は今日、風邪で休みだそうです」

里奈は、怒り顔になっている。



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