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カフェ・ルミエール  作者: 舞夢
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史の京都散歩(17)

史は、加奈子の顔をキョトンとして見る。

何しろ、昨晩の話では「用事がある」と言っていたから。

すると、加奈子が史に、ヒソヒソ。

「なあ、史君、由紀ちゃんがな、愛華ちゃんと二人きりにするのはダメというからな」

「お邪魔虫かもしれんけど」

とにかく申し訳無さそうな顔をする。


史は「そうか、姉貴に何か言われたのかな」と思ったけれど、深く聞いても仕方がないと思った。

ここで「深く聞いても」、家に帰れば由紀から「かなりなお叱り」があるとわかっていたから。

それでも由紀から、「里奈のこと」が言われていたかは気になる。

ただ、なかなか加奈子とか愛華の前では言いづらい。

それに、こっちか「あえていうことではない」と自制する。


そこまで考えて、少しお茶を飲んでから、孝と彰子には十分お礼を言って、お屋敷を出た。


そして出迎えの時と同じ、黒ベンツに乗りこみ

「さて、和菓子の軽いのをまとめ買いしようかなと思っています」

「荷物も多くなると大変なので」

と言うと

愛華

「うーん、そうやなあ、軽くてと言うのなら、干菓子が一番軽いかなあ」

加奈子も同意する。

「そやな、史君もお土産を買って帰る先が多そうやから」

しかし、加奈子の言い方は、少し含みがある。

史が

「干菓子を先に買って、その後、少し散歩します」

「家には夕方までに帰ればいいので」

すると愛華

「そしたらまず、干菓子の老舗案内するわ、そこでお買い物をして」

「あとは、円山公園とか知恩院とか八坂の周りでどうやろ」

加奈子

「ああ、お昼も予約しておくわ」

と、スンナリと話が進む。


史としては、久々の京都。

さすが、地元の人の意見を尊重しようと思った。


それからは和菓子の老舗で、まとめ買い。

ただ結局、いろんなお菓子を買い込んでしまい、大きな荷物になったので、家に直接持ち帰る以外は、宅配便になった。


加奈子

「なあ、史君、荷物はトランクに積んどいて」

となったので、ほぼ手ぶらで八坂神社、円山公園、知恩院などを、三人でブラブラと散歩。


「けっこう着物を着ている人が多いね」

とつぶやくと

愛華

「ああ、でもな、ほとんど外国人の人とか、日本人でも観光客かな」

加奈子も

「そやね、着物に憧れとる人かな」


ただ、最初は「ある程度離れていた」愛華が、少しずつ史に近づいてくる。

史は少し焦るけれど、愛華の近寄りは、ますます・・・の状態になっている。

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