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カフェ・ルミエール  作者: 舞夢
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史の京都散歩(13)

演奏が全て終わった。

史と加奈子は、別室で食事となった。

別室での食事も、パーティー会場と同じに豪華なもの。

フワフワのトリュフオムレツ、牛ヒレ肉のステーキ、コンソメスープ、京野菜のサラダ、焼き立てパン・・・様々である。

史も加奈子も、お腹が空いたのか、しっかりと食べている。


「なんとかできた、失敗はなかった」

とホッとした顔。

加奈子は

「うん、さすが都大会優勝だね、すごかった」

と満足気味。


招待客を全て見送り、この屋敷の主人の雅仁と良子、愛華も別室に入ってきた。

雅仁

「史君、本当にありがとう、素晴らしかった」

良子も感激している。

「ほんまや、あの小さい頃、可愛らしくて仕方がなかった史君が、こんな素晴らしいピアノを弾くなんて」

涙ぐんでいる。

愛華も

「明日帰っちゃうのが、悔しいくらいや、ずぅっと聴いていたい」

と複雑な顔。


叔父の孝と、圭子、彰子も別室に入ってきた。

「史君、お疲れさん」

ポンと肩をたたく。

史は

「あ、はい、拙い演奏で」

と、頭を少し下げる。

圭子は

「いやいや、うっとりや、今後悩むなあ」

と、つい本音。

彰子が、続いた。

「史君は、音楽のプロになるのか、古文を勉強するのかってな、みんな悩んでいたんよ、なあ、本人より周囲が悩むんや」

と、クスッと笑う。


ただ、史は「そんなことを言われても」状態。

それでも

「音楽は、プロになるかどうか、あまり考えていません」

「古文をやるかどうか、違うのも考えている程度で」

つまり、まだはっきり決めていないと言う。


そんな話が続き、夜も九時になった。

史は、孝たちと一緒に帰ることになる。


愛華が史に声をかけた。

「史君、明日は何時に帰るの?」


史は、ここでもしっかり決めていなかった。

「うーん・・・お昼ぐらいかなあ」

「明後日は学校があるから」

「えっとおみやげとか、買って帰る」


愛華は、少し必死顔。

「史君、そこまでご一緒する」


史は

「え?」

と、キョトン顔になっている。

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