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カフェ・ルミエール  作者: 舞夢
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史の京都散歩(5)

加奈子がお屋敷の玄関を開けて入ったので、史と愛華も続いて入る。

すると、加奈子の母親、つまり大旦那の長女圭子が出迎えに来た。

そして圭子

「あら、まあ、史君!」

「懐かしいなあ、可愛いなあ、まあ男前やわ」

「惚れ惚れや」

まず、史を見て大感激。

その目もちょっと潤んでいる。


史は

「はい、圭子おばさん、お久しぶりです」

とキチンとご挨拶。

それでも、愛華とつないだ手は、スッと離している。


愛華も圭子にご挨拶

「はい、私も史君に興味があったので、ついてきちゃいました」

愛華は、顔が真っ赤になっている。

圭子も事前に知っていたらしい。

愛華を見て、ニッコリとする。


そんな様子を見ていた加奈子

「なあ、お食事にしよ」

「史君には、久々にたっぷり京料理を味わってもらわんと」

と、史と愛華をお屋敷の食堂に誘導する。


そんな状態で全員が食堂に入ると、加奈子が言った通り、京都の料理が運ばれてくる。


・白身魚の梅昆布和え

・お刺身サラダ

・かぶら蒸し

・さわらの柚子風味焼

・京都牛のステーキ

・海鮮のにぎり寿司


スッと出て来るところが、さすが格式の高いお屋敷であることを感じさせる。


それでも圭子は史の表情を気にしている。

圭子

「どう?史君、お口に合う?史君の味覚ってすごいから」

「マスターが舌を巻いたって言うし、子供の頃からねえ」


そんな圭子に史は

「あ、はい・・・味付けがしっかりしていて、食べやすいです」

「気を使っていただきまして」

と頭を下げる。

つまり、いつもの京都風の味付けよりも、関東住まいの史に合わせて、味付けを濃くしてある、史はそれをすぐに察知したようだ。


加奈子は

「わ!このほうが美味しい、味がくっきりして」

愛華も

「うん、そうやねえ」

と美味しい様子。


しかし、それからは料理の話ではなくなった。


圭子

「なあ、晃も美智子さんも元気?」

「私は由紀ちゃん見たかったなあ」

「ほんま、由紀ちゃんって、加奈子より私にピッタリや」

「来年あたり交換しようか」

とんでもないことを言い出している。


そんな圭子を見て、加奈子はクスクス。

加奈子

「そうやねえ、マスターのお店にも行きたいしなあ」

「史君のお家も、暮らしやすそう」

「美智子さんの料理も、晃叔父さんとのお話も大好き」

「ほんま、交換しようよ」


史は

「え・・・何?この人たち・・・」

「どう返したらいいの?」

となっているけれど、ようやく今回のテーマを思い出した。

すなわち、「演奏をする場所と曲」である。


史は

「ねえ、加奈子ちゃん、どこでピアノ弾くの?」

「曲とか楽譜とか見たい」

そっと言うと、愛華が答えた。


愛華

「はい、今夜ね、私の家でパーティーがあるの」

「そこで、加奈子ちゃんと史君に演奏して欲しいの」

そんなことを言って、史の手をスッと握ってきた。


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