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カフェ・ルミエール  作者: 舞夢
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史の京都散歩(4)

史と加奈子、愛華は京都駅前に出た。

すると、昔からの顔なじみの運転手が小走りに迎えに来る。

そして史の前に立つと

「史お坊ちゃま、お久しぶりです」

「及川でございます、本当にお懐かしゅう」

とにかく、深く頭を下げてくる。


そこで史は、慌てた。

「あ!及川さん、お久しぶりです、ご無沙汰してしまいました」

傍目からみても、焦っている。

そんな様子を見た加奈子

「もう!史君、しゃんとせなあかんなあ」

「愛華ちゃん、笑うとるやん」

クスクス笑う。


確かに愛華もクスクス笑っているけれど、史としては

「そんなことを言われても・・・」

で、どうにもならない。


結局、焦り気味のまま、御迎えの黒ベンツに乗り込んだのである。

車が走り出しても、史は全く気持ちが落ち着かない。

何しろ、右には愛華、左には加奈子がピタリと座っている。

史としては「どうしてそこまでピッタリ?」と思うけれど、ここでも、どうにもならない。


それでも、車は京都市内を順調に走り、加奈子のお屋敷に到着した。

加奈子が先に降りると

「父さんも母さんも待っているから」

と声をかけてくるので、史も車を降りる。


すると加奈子から、また声がかかる。

「なあ、史君、愛華ちゃんの手を握って降ろすんや」

「ほらほら・・・ぐずぐすせんと」

とにかく、急かしてくる。


史は

「え?マジ?でも、マナーかなあ」

「緊張する」

と思いながら、愛華の手を握る。


史に手を握られた愛華は

「わぁ・・・幸せやん」

「きれいなお手々やなあ」

と、史よりしっかり、握り返してくる。


それを見た加奈子

「思った通りや、ほんま、お似合いやな」

クスクスから、ニンマリ顔に変わっている。


さて、そんな状態で車を降りた愛華。

なかなか、手を離さない。

そこで、史は、困る。

といっても、「離さないとなあ」ぐらいで、なかなか仕草にもできない。

ここが、オットリの史なのであるけれど。


加奈子は、史のそんな状態を見ているのか見ていないのか、わからないけれど、そのまま玄関に向かって歩いていく。


「なんか、気が重くなってきた」

史も「手を繋いだまま」歩く。


加奈子はクスクスしながら、愛華は、顔が真っ赤になっている。

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