涼子への差し入れ
美智子、由紀、史は朝から家のキッチンにいる。
それは、美智子が
「たまには涼子さんの好物を差し入れしよう」
と言い出したからである。
由紀も史もすぐにわかった。
由紀
「そうかあ・・・いなり寿司か」
そして史が
「マスターの家に料理を持っていくんだから、ちょっと工夫しようよ」
と言い出すと、三人はすぐに意見が一致。
普通のいなり寿司だけではない、「変わりいなり寿司」を作りはじめたのである。
美智子
「種類を多くするから、一つ一つは、小ぶりにする」
由紀
「うん、なかなか美味しい」
史
「姉貴、味見をしすぎ」
などと言いながら、三人で面白そうに作っていく。」
そして出来上がったいなり寿司は
・まずは定番の関東風
・関西風(西は具にごぼうやごまを含む、形も三角形)
・エビフライ入りいなり寿司
・鳥唐揚げ入りいなり寿司
・餃子とキムチの入ったいなり寿司
・梅干し入り焼きいなり
・大葉と紅生姜と白ごまのいなり寿司
かなりな種類と量になった。
由紀
「マスターの目が丸くなるのが楽しみ」
美智子
「今回は、涼子さんへのご褒美なの」
史
「マスターのことだから、どうせ何か言う。料理は厳しい」
そんなことを言いながら、三人でマスターの家に入った。
さて、どうなることやらと思っていたら、やはりマスターは目を丸くする。
マスター
「マジ?」
しかし、涼子は
「でも、全て美味しい」
「面白いねえ・・・」
と、どんどんバクバク。
マスターも結局つられて食べる。
マスター
「うーん・・・」
「でも、美味いや・・・」
二つ三つと食べていく。
美智子
「和風メニューの一環でどう?」
そんな言葉をマスターにかけると
マスター
「そうかあ、緑茶とお稲荷さん?」
「シメにはいいかなあ」
「でも、そうなると、もう少し」
と考え始める。
それを見た涼子
「毎日、試食してあげる」
「わあ、楽しみだ」
マスターもうれしそうな顔になっている。




