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カフェ・ルミエール  作者: 舞夢
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史と里奈の横浜デート(4)

さて、山下公園についた史と里奈は、ここで考える。

右に向かって赤レンガ方面に行くのか、左に曲がって元町方面に行くのか。

それとも、まっすぐ進んでニューグランドに入ってから中華街方面に進むのか。


「山下公園でのんびりもいいんだけど」

里奈

「私は史君と一緒ならどこでもいい」

そんなことを言いながら、結局まっすぐに進み出す。


里奈

「家族でも来たの?」

「うん、よく来た」

「小さな頃からね」

里奈

「お姉さんとも?」

「ああ、時々来た」

「姉貴はよく山下公園に来ると歌う」

里奈

「え?何を歌うの?」

「かもめの水兵さん」

里奈

「ぷっ!可愛い!」

「お姉さん、大好き!」


そんなことを言いながら結局、ニューグランドに入った。

里奈

「立派過ぎ・・・恐れ多い・・・」

「クラシックホテルの極みだね」

「増設もしたけれど、昔ながらのほうが味があるなあ」


二人が階段をのぼると、超豪華そしてレトロなエレベーターがある。

里奈は

「すごい・・・足が震えてきた」

となるけれど、

史は子供の頃からなれたもの。

そのまま、降りてフロントに

「あの、母からです」

と何か、紙包みをフロント嬢に渡す。


するとフロント嬢は、中身を見る前から史の顔を見る。


「え?史君?」

「ほんと?」

「わーーー!」

「可愛い!」

いきなり大騒ぎになる。

そして、他のホテルマンたちも、ゾクゾクと。


「わーー大きくなった!」

「かっこよくなったなあ」

「お母さんは元気?」

「お父さんの顔も見たいなあ」

「由紀ちゃんは?」

「あ、マスターはどうしている?」

「そうか、涼子さんがご出産か!」

ホテルマンの男性から女性まで、史を囲んで大騒ぎになっている。


史は、顔を赤らめて、いろいろ答えている。

里奈は

「ちょっと場違い・・・」

「史君、人気ありすぎ」

で、少し腰が引ける。


そんな史が里奈を手招きする。

里奈が

「え?」

としていると


「僕のやっと出来た彼女です」

「里奈ちゃんです」


そんなことを突然言うものだから、今度は里奈が真っ赤。

その里奈は、集まったホテルマン全員から、大拍手を受けている。

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