表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
カフェ・ルミエール  作者: 舞夢
235/760

カフェ・ルミエールのピンチヒッター

晃と美智子の申し出もあり、マスターは涼子の出産予定日三日前から、涼子に付きそうことになった。

最初は「そこまでしなくても」とマスターは渋ったけれど、大旦那からも連絡があったことから、それを受け入れた。

大旦那からは

「女と子供を大切にしてこそ、男だ」とあり、マスターは本当に感謝しきりである。

尚、そのマスターの代理として、かつて横浜のホテルでマスターのセコンドも務めた美智子が入った。

また、女性ばかりの夜の店も危険という話になり、音楽家の榊原氏と岡村氏が臨時のバイトを自ら申し出たのである。


榊原

「何しろウィーン留学時代は、バーでバイトをしたものさ」

岡村

「俺は、ミラノだった、けっこうモテモテだったぞ」

などと言い、それぞれ自前で給仕服を着込んでいる。

ただ、両方とも著名な音楽家であることは、馴染みの客に知れ渡っている。


そして結局

「何か演奏して」となり、クラシックからジャズ、シャンソン、カンツォーネまで様々演奏をする。


美智子

「こうなると音楽バーというより、ライブハウスだ」

美幸も、笑っている。

「毎晩でもいいかな、これは役得です」

美智子

「バーだから、静かに飲みたい人もあると思うけれどねえ・・・」

美幸

「でも、普段よりお客様が増えました、演奏目当てで」

美智子

「まあ、チャリティーで好きにやってくれるから、経費はかからないけれど」

美幸はクスッと笑う。

「マスター復帰までの期間限定ですから」


美智子と美幸がカウンターでそんな話をしていると、榊原と岡村がシャンソンの演奏を終えて戻ってきた。


榊原

「いや、金に関係しない音楽もいいなあ」

岡村

「うん、純でいい」

二人とも、ご機嫌である。


美智子

「今度、何かリクエストしようかな」

美幸

「そうですね、アルバイトは結衣ちゃんとか彩ちゃんに交代で頼んで」

「先生方は毎晩ミニコンサートでも」


岡村はうれしそうな顔になる。

「そうなると、内田さんもチャリティーで呼ぶかな」

榊原も頷く。

「ピアノとヴァイオリンと声楽か・・・いいかも」


そんなことで、ピンチヒッター仲間同士で話が盛り上がっている。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ