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カフェ・ルミエール  作者: 舞夢
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悩みこむ史(3)

麻衣は話を続けた。

「前に合唱部のコンクールで優勝した次の日なんですが」

麻衣の顔が曇った。

由紀もますます厳しい顔になる。


麻衣

「稲葉先生、学園中でお祝いしているのに、史君にはおめでとうの一言も言わず」

由紀

「うん・・・それで?」

麻衣

「ニューズウィークの翻訳を三面、今日中に翻訳しろとか」

「合唱部で怠けた分を取り返せとか」

「全然怠けてないのにね」

麻衣も泣き出してしまった。


里奈は首を傾げる。

「どうして、そこまで史君に辛くあたるのかなあ」

「理由がわからない」


麻衣は

「おそらくね、前に暴言を吐いて首になった合唱部の顧問先生と仲良しで」

「史君たちのカフェ・ルミエールで勝手に有名な先生を呼んできてしまった」

「それで、前の顧問が不本意にも、恥をかかされ、首になってしまった」

「それを根に持っているのかもしれません」


由紀は腕を組んだ。

そして怒り出した。

「それが大人の男のすることかい!」

「教育者の前に人間としてダメだ」


里奈も、懸命に考えているけれど、対策を見いだせない。


麻衣は、少し表情を厳しくした。

「今までの話は、そういうことで・・・」

「それでね、昨日の話なんです」


由紀

「うん・・・何があったの?」

里奈も麻衣を見ている。


麻衣

「おそらくカフェ・ルミエールの楽団で史君が演奏をすると思うんですが」

由紀

「うん、この間、曲を決めていたよ」

里奈

「それが何か?」


麻衣は小声になった。

「稲葉先生が史君にボソって言ったんです」

「稲葉先生は『そのオチャラケ楽団とやらの演奏会の日を教えろ』って」


由紀

「オチャラケ楽団?」

由紀の顔は真っ赤になった。

里奈も、本当に怒っている。


麻衣

「史君が、『おそらくこの日』って言ったら、稲葉先生が『その日はテニスの試合があるから取材に行ってもらう、意味わかるか?』って・・・」

「ほぼイジメです、いつもは他の部員がテニス部の取材だったので」

麻衣も、顔が沈み込んでしまった。

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