マスターと晃の相談
マスターはさっそく晃に連絡を取った。
マスターとしては
「大掛かりでなくて、カフェ・ルミエールの小さなステージで玉鬘でも」
というお願いをする。
最初は「三輪のにゅうめん」だったけれど、美幸との長谷寺の話から、「玉鬘」に発展してしまったのである。
晃は
「そうですか、玉鬘ですか・・・」
少し考える。
「源氏の君とは、引き取られてから、寸前まで行くんだけど」
「源氏は、いろいろ考えて止まって」
「結局、本当の父に裳着の役をやらせて、対面させる」
「内裏の内侍に入るで悩み・・・最後は髭黒ですね」
そこまで言ってクスッと笑う。
マスターは
「不思議なキャラですね、なかなか」
一緒に笑っている。
晃
「近江の君との対比で書いたのかな」
マスター
「ああ・・・そうかなあ・・・そうなると・・・」
「作者は、かなりシニカルだ」
・・・・・話がけっこう弾んでいる。
さすが、両方とも旧摂関家の流れを引く。
源氏には詳しい。
晃
「大旦那には面倒だから、言いません」
「来たがられても面倒」
「資料はこちらで、史にも手伝わせます」
「土曜の夜で」
マスター
「それでは、お願いします」
ということで、晃と史の協力で、「土曜の夜、玉鬘の話」が決定した。




