カフェ・ルミエール開店
「へえ・・・カフェ・ルミエール?」
「今日から開店?」
「でも、今日は午前中は貸し切りって書いてあるよ」
「マスターのバーで、昼は喫茶部やるんだって」
「飛び切りのパティシェが店を任されたみたい」
「ああ、知っている、あの超美人若手パティシエの洋子さんだよ、よく雑誌にのっている人」
「へええ・・・確かパリのダロワイヨで修行して賞を取った人だよね」
「それにしても、花がすごいねえ・・・量といい、かなり高い花だよ」
「贈り主も・・・これは摂関家?」
「こっちは、宮内庁だ・・・マジ?」
「あらら・・・神社本庁だってさ」
「へえ・・・この花・・・横浜山下公園前の超有名ホテルからだ・・・」
様々、マスターの店の前は、午前9時の開店前というのに、かなりな人が集まっている。
そして、まず店の前に置かれた花と贈り主の名前で。盛り上がっている。
「それでさ、聞いたんだけど、あの史君が、日曜日だけアルバイトするんだって」
「え?あの組のトラックにひき逃げされたって聞いたけど?」
「ああ、それはマスターが、あちこち声をかけて、組の若い衆は出頭」
「隠そうとした病院長は更迭、同じくウヤムヤにしようとした学園理事長も理事解任」
「組頭も、他の子分に全て見限られて組は消滅・・・これもマスターの関係らしい」
「すっごいねえ・・・マスターって何者?」
いろいろと店の前で話は弾んでいるが、ついに午前9時となった。
店の扉が開き、マスターと史が店の中から出てきた。
「おはようございます!」
「カフェ・ルミエールへようこそ!本日開店です」
史が、みんなの前でご挨拶、マスターはニッコリと笑っている。