史と里奈の御茶ノ水と神保町デート(4)
超ニッコリの史と里奈はJR御茶ノ水駅に着いた。
駅を出て、聖橋を渡る。
「あそこの大きなお堂がね、湯島聖堂」
「江戸時代の東京大学のようなところ」
史は、さすがに御茶ノ水に詳しい、里奈はニッコリと聞いている。
「後で寄ってもいいかな」
里奈が史に言うと、史はまたニッコリ。
湯島聖堂を「一旦」通り過ぎて、道路を渡ると、神田明神の大鳥居、そして門前の甘味屋が見えてくる。
史
「先に参拝してから」
里奈
「うん!楽しみ!」
史は、ニッコリとして大鳥居の前で一旦足を止める。
そして、いつもの通りの「キチンとしたお辞儀」。
里奈も、それにならう。
そして門の前で再びお辞儀をして境内に入った。
里奈
「ほー・・・」
史
「ここは江戸の総鎮守」
「ここに鎮座して1300年近くの歴史があるの」
「江戸時代には、江戸総鎮守として将軍様から江戸庶民にいたるまで江戸のすべてを守ってこられた」
「今も東京から神田、日本橋、秋葉原、大手町・丸の内など108の町々の総氏神様です」これで神社には少し詳しいようだ。
里奈も満足そうな様子。
「なんか、この境内に入っただけで、元気がもらえた」
「気持ちもスーッとしたよ」
二人は、お賽銭を入れ、しっかりと二礼二拍手一礼のご参拝。
その後はたくさんある摂社末社を回る。
小唄塚・小唄作詞塚、銭形平次の碑なども興味深く見る、
えびす様と、大きなだいこく様にもご参拝。
史
「それでさ、ここにもちょっと面白いものがある」
里奈
「面白いものって?」
聞くけれど、史は里奈の手を握り売店に。
史
「これが神田明神のお守りでね、いろいろあって」
確かにいろいろある。
勝守、こち亀コラボのお守り、IT情報安全守護もある。
里奈
「私は史君との縁結びがいい」
顔を真っ赤にしている。
史も顔を赤くしている。
「それでね、マカロンが売っているから買っていく」
また里奈を引きずり
「ね、クリームが入っていないマカロン」
里奈は
「へーーーお菓子、明神様で洋菓子?」
目を丸くする。
史
「これ五百円だから、姉貴にちょうどいいや」
「たくさん入っているし、姉貴なんか質より量のタイプだし」
里奈は、少し困る。
「もう!いいお姉さんでしょ!そういうことされると私が困る」
と言って、
「柔道部の連中に買っていくかな、彼女たちのほうが質より量だ」
数個買おうとするけれど、
史は
「今日は僕から、柔道部にも怪我の時に心配させたから」
で史が払う。
里奈は
「いいの?」
となるけれど、史は
「まかせて、僕と母の気持ちもある」
と、ドンとしている。
里奈は、また史の手をギュッと握る。
と、なんだかんだと、気があっている二人です。
本当に暑いなあ。




