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カフェ・ルミエール  作者: 舞夢
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マスター歴史談義(地中海世界④)

マスターは話を続けた。

「何故、上水道を作る前に下水道を作ったのか」

「エジプトのピラミッドとかローマの神殿建築とか神の如くの人体彫刻とは、全く異なる発想ですね」


歴史好きな客と集まった客は、マスターの話にひきつけられている。


マスターは、続けた。

「つまり、下水道を最初に完備したのは、市民や住民の衛生管理を目的にしています」

「衛生を管理し、疫病などの発生を最小限にする」

「病人が少なければ、政治、経済、軍事も含めて、順調に進む」

「ローマ建国に際して、テレヴェ川域の七つの丘の上に街を築いたんだけど、丘に囲まれた盆地は排水性の悪い沼地」

「当時、人は丘の上に住み、丘の下は死者を葬る以外使えない土地だった」

「丘の上の居住が手狭になると、人々は沼地に降りて市場や集会所としてそこを使うようになります」

「そこで、市民や住民の衛生管理を目的に、この沼地の排水工事が必要になった」

「湿地であった土地に水はけ用の水路を造り、集まった水を川に流すための大下水溝を紀元前六世紀から整備したのです」

「まあ、何回か補修はありましたけれど、二千五百年たった今でも立派に排水溝として使われているようです」


歴史好きな客

「二千五百年前のインフラ設備が今でも・・・」

集まった客も驚いている。


マスター

「ああ、上水道の話もすごいですし、ローマ道路の話もすごいです」

「また、時間があれば・・・」

どうやらここで、話を終えるようだ。


マスターは、残念そうな顔をする歴史好きな客や集まった人に、頭を下げて

「とにかく古代ローマは現実的な生活に役立つものを建設した」

「今夜はその程度で・・・」


時計を見ると、午後十一時を過ぎている。

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