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カフェ・ルミエール  作者: 舞夢
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マスター歴史談義(古代地中海世界③)

マスターは集まってしまった客にクスリと笑い、話しはじめた。

「古代ローマ人が建築に際して本当に懸命に取り組んだのは」

集まった客は、マスターの話に本当にひきつけられている。


マスター

「建築と言うよりは、建設なんです」

「ピラミッドは作らなかった」

「彫像は、ギリシャの真似程度、もしかしてローマに残った彫像はギリシャ人に作らせたのかもしれない」

「まあ、ギリシャ人のほうが専門家だから」


歴史好きな客

「・・・と言いますと?」

首をかしげる、まだよくわからないようす。


マスターは水割りを一口飲み、話し出す。

「古代ローマ人の建築は建設しか興味がありません」

「つまりね、道です」


歴史好きな客

「道・・・と言いますと?」

「ローマ街道ですか?」

少しはわかってきたようだ。


マスターは一旦頷く。

「ああ、ローマ街道は当然ですが」

「私が注目しているのは、水道なんです」

「水道に関しては、上水道と下水道があるけれど」


歴史好きな客

「いや・・・・あまりにも現実的な話ですねえ、ロマンとか何も感じない」

少々ガッカリした様子。


マスターは、またニヤリと笑う。

「まあ、その現実を最優先する主義なんです」

「古代ローマ人は、現実が大切」

「何しろね、上水道の前に作ったのは下水道なんです」

「しかも、そのほうが大事だと考えていた」


そこまで話し、マスターが真面目な顔になっている。

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