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カフェ・ルミエール  作者: 舞夢
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マスター歴史談義(古代地中海世界②)

マスターは言葉を続けた。

「白亜の宮殿とって、今ではそうなっているけれど」

歴史好きな客は首をかしげた。

「今ではといいますと?」

マスター

「おそらくね、落成時には、極彩色だったようです」

「長年の風雨で、塗装が剥がれて、白くなってしまったとか」

「それでも、風雨の影響が少ない箇所には塗装の跡があります、私も見ました」

歴史好きな客は、少し残念そうな、それでも興味深そうな顔と、複雑な表情になる。

「まあ、確かに二千年以上の風雨ですよね、仕方がないと言えばそうなりますねえ」


マスター

「それとギリシャにはエジプトでは作られなかったものがありますね」

「ギリシャというか、ギリシャ地方になるけれど」

そこまで言って、歴史好きな客の顔を見る。


歴史好きな客

「作ったもの・・・うーん・・・」

少し考えていると


マスター

「ああ、人体彫刻です」

簡単に答えを出してしまった。


「ほぉ・・・」

マスターと歴史好きな客の周りに集まっていた人たちも、納得したらしい。


マスター

「有名なミロのヴィーナスですとか」

「主に裸像が多いですね」

「とにかく人間の美しい肢体を尊く思っていたようですね」

「エジプトでは偶像化した彫像があるけれど、写実性ではギリシャですね」


歴史好きな客は、深く頷いている。


マスターは、ここで水割りを一口含んだ。

そして、口を開く。

マスター

「ところがね、古代ローマの人々は、エジプトともギリシャとも、全く発想が異なる」

「ご存知のように、古代ローマの人々は、エジプトを知り、ギリシャを教師として尊敬しながら、発想は全く別なのです」


歴史好きな客も集まった客たちは、マスターの次の言葉を待つばかりになった。


またしても、マスターの歴史独演会が始まるようだ。

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