マスター歴史談義(古代地中海世界①)
今日も歴史好きな客がマスターに質問をしている。
といっても日本の話ではなく古代地中海世界の話である。
歴史好きな客
「マスターとしては、古代のエジプト、ギリシャ、ローマの違いをどう考えますか」
その質問からして、かなりマニアック、一言で答えるのはかなり難しい。
それでもマスターはニコッと笑う。
「たとえば建築で考えた場合は」
「エジプトで言えば言わずと知れた大ピラミッドとかスフィンクス」
歴史好きな客
「ああ、私も旅行しましたけれど、圧倒されましたねえ・・・」
「夕日を受けて、そびえ立つあの大ピラミッドとスフィンクス・・・」
「絶景なんて言葉では言い切れない」
「あれを見たただけで、この世に生まれてきてよかった、エジプトに旅行してよかったと感動しました」
歴史好きな客は、旅行の時の感動を思い出しているのだろうか、既にその目頭をおさえている。
マスターは話をギリシャに転じた。
「古代ギリシャの建築としては、パルテノン等の神殿建築も素晴らしいですね」
「今でも残っているけれど」
「白い柱でね」
そこまで言ってクスッと笑う。
歴史好きな客は、ウンウンとうなずく。
「そうですねえ、あの神殿も素晴らしい、まさに白亜の神殿・・・」
「青いエーゲ海に広がる光り輝く白亜の神殿」
歴史好きな客の目が、うっとりとなる。
マスターは、歴史好きな客の様子を見て、今度はニヤッと笑う。
「まあ、白亜の神殿がねえ・・・」
「ところがねえ・・・」
何か言いたいことがあるようだ。
そして、いつものごとく、マスターと歴史好きな客の周囲に、他の客も集まってきている。




