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カフェ・ルミエール  作者: 舞夢
182/760

史が京都に?(5)

洋子はその顔をきゅっと引き締めた。

そして史に話しかける。

「史君」

声も少し低くした。

史も

「はい」と素直な顔になる。

少なくとも、ムクレ顔ではない。


洋子

「あのね、史君の希望はわかる、私もフランスで修行したから」

「確かに海外に出ないと、わからないことも多い」

「海外に出て知ること、海外から日本について考えることも、史君にとってすごく重要だと思う」

洋子は、一呼吸置いた。

「それでね、史君が一人旅で気兼ねなくという気持もわかる」

「ただね、その資金にしろ、そういうことを言うのなら、人に頼ってはいけないの」

「わかる?この意味」

「世知辛いとか、細かいとかの話じゃないよ」

「たとえば進学費用として、ご両親に出してもらうにも、ご両親の納得がないとだめだよ」

「その話はご両親にはしたの?」

洋子は、史の目を真っ直ぐに見つめる。


史は

「あ・・・父には少し・・・」

そこまでは話した。

ということは、母美智子には話していないようだ。


由紀の顔がムッとしている。

加奈子は腕を組んで難しい顔。


洋子は少し表情を柔らかくする。

「それで、その海外留学はいつにしたいの?」

「今すぐ?それとも?」


史はちょっとホッとした顔

「えっと、すぐじゃなくていいんです」

「まだ僕は高一ですし」


洋子は

「それじゃあ、人の顔を立てる意味もあるし」


史も洋子の意図がわかったようだ。

「大旦那とか加奈子ちゃんのお誘いもあるから」

史は加奈子の顔を見た。


「加奈子ちゃん、いきなり変なことを言ってごめんなさい」

「一度、一週間くらいの旅行みたいな感じで、加奈子ちゃんと京都歩きたい」

「だから、道案内お願いします」


加奈子の表情が柔らかくなった。

「私もごめんなさい、急に京都に住むような話をしてしまって」

「史君だって、史君の気持ちを無視されて、つい突っ張ったんだね、よくわかる」

「ごめんねえ・・・」

加奈子は泣き出してしまった。


洋子は、なんとかホッとした顔。

奈津美、結衣、彩も「さすが洋子さん、大人だ」で、胸をなでおろしている。


由紀だけは

「何?また私をナイガシロ?・・・許せん・・・・」

「私も京都行きたいなあ・・・史は嫌がるかなあ」

そんな感じ。

最初はムッとしていたけれど、史と一緒に京都に行きたいらしい。

少し涙顔に変化している。

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