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カフェ・ルミエール  作者: 舞夢
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彩とデート?(5)

煉瓦亭での昼食後は、当初の目的である涼子の出産祝い探しになる。


史が「近くの三越」と言うので、彩も反論はない。

10階まで、エレベーターでのぼり、出産祝いの品を選ぶ。


史は、くるくる回る音楽付きの「ベッドメリー」という玩具。

彩は、少し迷ったけれど、大きめの熊のぬいぐるみ。

両方とも大きいので、即座に車に積み込む。


「ありがとうございました、すんなり決まりました」

史が、キチンと頭を下げてお礼をしてくるものだから、彩もかなりうれしい。

「いえいえ、美味しいお店、料理人としても勉強になるお店も紹介してもらって」

彩も史にお礼を言う。


その後は、七丁目のヤマハまで歩き、史が少しピアノを弾いたり、また近くの虎屋により、羊羹を何本か買っている。

ただ、この時点で彩は、史に完全に主導権を握られている。


「ほんと・・・銀座詳しいなあ」

「行く店行く店、超名店ばかり」

「これは、育ちかな」

「最初のお香のお店といい・・・」

彩は、そこまで思った時点で、ちょっと気になることを思い出した。


「史君、お香の店で、アロマオイルをたくさん買っていたけれど、史君だけが使うの?」


「えっと、洋子さんと、里奈ちゃんにも」

スンナリと答えてくる。

史は言葉を続けた。

「それから羊羹は、涼子さんと奈津美さん、結衣さん」


「マジ?・・・私のことではなく、他の女どものこと考えていたの?」

「うー・・・私は運転手?」

彩の耳には、心なしか「他の女どもの高笑い」まで聞こえてくる。

それでも

「まあ、しょうがない、お母さんと由紀ちゃんにも何か買っていったら?」

一応、年上のアドバイスを施す。


それを聞いた史

「え?あの二人?」

「木村屋のアンパンで十分」


ということになり、それでも気を使った彩が、「私からも美智子さんと由紀ちゃんに」で木村屋で様々なパンを買った。


ただ、荷物も大量で帰ることになってしまった。

そして、車に乗り込むと、史も疲れてしまったようだ。

すぐに眠ってしまった。


「これじゃあ・・・何もできない」

「・・・って何するの?」

「うーーー白い肌、しっとりだ」

彩は助手席の史を見て、ドキドキはするものの、結局何もできなかった。


「まあ、今日は初回だ」

「次は・・・」

その言葉だけが、彩を支えていた。

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