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カフェ・ルミエール  作者: 舞夢
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カフェ・ルミエール楽団演奏会(8)

さて、演奏会一週間前に少々不安は発生したけれど、その後は特に何もなく練習も無事に進んだ。

そして、今日は演奏会の当日である。

史は、ソリストなので、一応スーツ姿になるようだ。

自分の部屋で試着をしていると、姉の由紀と母の美智子が入ってきた。


「プ!まるで七五三!キャハハ!」由紀

「ほんとだねえ、千歳飴持ったほうが似合うかも」美智子


「もう!うるさいって!二人とも!」

「どうして勝手に入ってくるの!」

史は怒るけれど、今さらどうにもならない。


由紀

「ほら、グズグズしない!お迎えの車が来ている、里奈ちゃんはもう乗っているから!」

美智子

「わかる?史はアホで危なっかしいから洋子さんが車で迎えに来てくれたの」


・・・本番前のソリストに「グズ」だとか「アホ」というのも、史の家族らしいけれど、史はけっこうムクレている。


それでも、車に乗り込み、里奈の顔を見るとニッコリする。

「里奈ちゃん、ありがとう!うれしい」

里奈

「ちょっとネクタイ曲がってる、直すよ」

・・・まったく・・・仲良しですので、省略。


これには、一緒に車に乗った由紀、美智子、運転手の洋子も「何も言えません」状態である。


そんな史たちがカフェ・ルミエールのビルに到着し、地下ホールに入ると、既に楽団員や先生方、音大の生徒たちが、集まってきている。


「さて、本番だね」

洋子は史の肩をポンと叩いた。

「はい、洋子さんは聴いてもらえます?」

史は洋子の顔を見る。

「うん、コンサート時間中はお店を閉めます」

「だから、たっぷり聴かせてもらうね」

洋子の言葉で、史はニッコリと笑う。


洋子と史がそんな話をしていると、マスターが入ってきた。

マスターは史に声をかけた。

「さあ、思いっきりね」

史もまたニッコリと返す。

「はい、目一杯で」


マスターは、もう一言あるようだ。

そして美智子と由紀にも目配せ。


「大旦那と奥様もいらしている」


確かに、ホールの扉を開けて、大旦那と奥様が入ってきた。

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