表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
カフェ・ルミエール  作者: 舞夢
154/760

カフェ・ルミエール楽団演奏会(3)

里奈は史の不機嫌な顔が気になった。

「ねえ、いろんな人がついてきちゃったのが気に入らないの?」

史に尋ねると、史は不機嫌な顔のまま、頷く。

「音大とか、音大の先生とか、音楽家とか興味がないんだ」

「不特定多数の人の前で弾いて、たくさんの拍手をもらう」

「そういうことが好きな人はその道に進めばいい」


奈津美も、史の珍しく強い口調が気になった。

「史君のその考えは、間違いではないよ、でもね」

奈津美は史の目を強く見つめた。

「演奏はそういう気分でやってはいけない、音楽に対して失礼になるから」


奈津美の言葉に史は頷く。

「うん、ありがとう、僕も音楽とか演奏そのものには、手抜きをする気はない」

「そんなことをしたら、ベートーヴェンとか皇帝という曲に申し訳ない」

史は、少し笑う。


里奈もそれでちょっと安心。

「じゃあ、思いっきり弾いてくれる?」

さっと史の手を握ってしまう。


「え・・・うん・・・ありがとう、里奈ちゃんも」

史は、ちょっと赤い顔。

そして奈津美にキチンと頭を下げ、階下のホールへと降りていく。


それを見送る奈津美

「うーん・・・史君も大変だ」

「演奏は手抜きはしないとは思ったけれど、少し動揺していたから、言っちゃった」


「でも、里奈ちゃんがうらやましい・・・私としては」


奈津美は、ジェラシーを感じている。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ